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2018年バックナンバー

雑記帳

平昌五輪 北、合同行事の中止通告 韓国「合意履行を」

 韓国統一省は、平成30年2月9日開幕の平昌五輪に合わせ、北朝鮮南東部、金剛山での開催で韓国と合意していた合同文化行事について、北朝鮮は、平成30年1月29日、一方的に中止を通告したと発表しました。

 

 韓国政府への揺さぶりの可能性もありますが、ムン・ジェイン大統領が「平和五輪構想」の柱の一つとして強く推してきた行事であり、実際に中止となれば、ムン政権への打撃となります。

 

  北朝鮮は、通知文で、韓国メディアが北朝鮮の「真心込めた」措置を冒涜する世論を拡散、「慶祝行事」の是非まで問題にしており、行事を中止するほかないと伝えてきたということです。

 

 韓国政府は一方的な通告に遺憾の意を示し「合意の履行」を求めました。

 

 韓国にも「合意を履行する」という言葉はあるのですね。

 

 「北朝鮮が情緒的に受け入れられなかったから仕方ない」とは思わないようです。
 「当事者である北朝鮮人民の意見を聞いていないから仕方がない」とも思わないようです。

 

 「Pacta sunt servanda」というラテン語があります。

 

 「合意は拘束する」「合意は守られなければならない」などと訳されます。
 民事法の大原則ですし、国際法の大原則です。

 

 民事法では「合意は拘束する」が当然の前提で、明文の規定すらないというのが普通です。

 日本民法にも規定はありません。
 書く必要もない自明のことは規定されません。

 

 その例外として、合意を守らなくてよい場合として「公序良俗違反」「錯誤」「詐欺」などの例外を定められています。

 また、借地借家法や消費者保護法などにより、借家人や借地人、消費者は、たとえ合意していたとしても、合意を守らなくてよいと定められています。

 

 ちなみに、国際法上、「合意は拘束するの原則」に対する制限は、強行規範(jus cogens)であるとされています。

 

 条約法に関するウィーン条約によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされています(53条)。

 

 明文の定めはあえてしていませんが「侵略」「奴隷取引」「海賊行為」「ジェノサイドの禁止」については強行規範としてのコンセンサスが得られているという状況です。

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