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2018年バックナンバー

雑記帳

ドイツ新政権発足

 平成29年9月24日に、ドイツの連邦議会議員選挙が実施されました。
 
 ドイツの連邦参議院は、ドイツ各州政府選出議員から構成されていて、実質的に、一院制に近いといえます。
 
 CDU/CSU 231
 SPD 153
 AfD 94
 FDP 80
 左翼党 69
 緑の党 67
 
 SPD(社会民主党)は、選挙直後より、連立不参加を表明していました。
 CDU/CSUと差別化できず大敗したからです。
 
 メルケル首相の率いるCDUと姉妹党であるCSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)は、FDP(自由民主党)、緑の党と連立政権をつくりたかったのですが、不成功に終わりました。
 
 ということで、CDU/CSUの少数与党政権か、連邦基本法(憲法)に基づく再度の選挙かという事態になりました。
 
 しかし、どちらも好ましくないとして、CDU/CSUは、SPDに大連立の継続を求めました。
 
 ドイツの連邦大臣は以下のとおりです。
連邦首相
財務大臣
内務大臣
外務大臣
官房長官
経済・エネルギー大臣
司法・消費者保護大臣
労働・社会問題大臣
食料・農業大臣
国防大臣
家族・高齢者・女性・青少年大臣
保健大臣
運輸・デジタル担当大臣
環境・自然保護・建設・原子力保安大臣
教育・研究大臣
経済協力・開発大臣
 
 もちろん、重要性では首相が1位ですが、これにつぐ重要閣僚は、財務大臣、内務大臣、外務大臣です。
 
 CDUは、財務大臣と外務大臣のポストはSPDに譲り、内務大臣のポストは姉妹党CSUに譲るという大きな妥協案を提案しました。
 
 SPDは、平成30年3月4日、CDU/CSUとの連立について、党員投票で過半数の賛成を得て承認したと発表しました。
 
 SPDの約46万人の全党員を対象に実施した投票で、結果は賛成66%に対し、反対は34%でした。
 
 平成30年3月中旬にも、メルケル連邦首相率いるドイツの第一党CDU(と姉妹党CSU)と、SPDの連立内閣が成立し、5か月におよぶ政治的空白についてピリオドを打つことになりました。
 もちろん、CDU/CSUとSPDの内閣ですから、他の国の「空白」というほどではありません。
 
 何もなければ、メルケル連邦首相は、もう1期4年で通算16年、ドイツ統一をなしとげたコール元連邦首相の在任期間に並びます。
 
 ただ、連立合意で、財務相と外務相をSPDに、内相をCSUに譲ったことをきっかけに、党内ではメルケル批判が強まっています。
 
 メルケル氏の難民政策に批判的で、治安対策などに力を入れるべきだと主張してきた保守派の論客で、ポストメルケルに向けて自ら動き始めるように党内に呼びかけていたシュパーン議員(37)は保健相として閣内に取込むなど、政権維持に躍起となっています。
 
 連邦議会は、前回選挙の4年後にしかない見込みです。
 ドイツの基本法での解散は、かなり制限されています。
 
 ただ、州選挙は、次々と行われます。
 
 州選挙の勝敗は、連邦参議院の議席に影響しますから、州選挙で敗北を続けると、メルケル連邦首相も、途中辞任に追込まれる可能性があります。
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