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2018年バックナンバー

雑記帳

18歳成人・民法改正案を閣議決定

 政府は、平成30年3月13日の閣議で、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を決めました。
主要国では「18歳成人」が多く、若者の自立を促す狙いもあります。
 
 成人年齢の引下げは、平成19年の国民投票法成立がきっかけです。
 
 憲法改正の可否を決める国民投票の投票権年齢を18歳以上と定めた同法は付則で、公職選挙法の選挙権年齢や民法の成人年齢の引下げの検討を促しました。
 
 平成28年施行の改正公選法で「18歳選挙権」が実現しています。
 
 民法には、以下の規定があります。
4条 年齢20歳をもって、成年とする。
5条1項 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2項 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
 
 未成年者は優遇されています。
 
 自分に不利な契約は、いつでも取消すことができます。
成年後見制度には、成年後見、成年補佐、成年補助の3制度がありますが、未成年者の優遇は成年後見並みに優遇されています。
 
 もっとも、優遇されているということから、逆にいうと、相手方にとって危険という側面がありますから、あながち、損なのか得なのかどうかはわかりません。
 
 弁護士会は、成人年齢が引き下がると、18歳、19歳でも親の同意なくクレジットカードをつくったり、ローンを組んで高額商品を購入したりできるようになったり、悪徳商法に狙撃ちにされて、消費者被害が拡大するのではないかという懸念があります。
 
 啓蒙教育するしかありません。
 
 ただ、18歳にもなれば、高校卒業者は就職して社会に出ます。
 
 国家試験を受験する予定のない、22歳までモラトリアムの大学生とは異なります。
 
 18歳成年が妥当でしょうね。
 
 なお、現在、親権者の同意があれば、男性は18歳、女性16歳になれば結婚できますが、18歳にそろえます。男女の区別に合理的な理由はありません。
 
 現在、日本の地方自治体の定める青少年保護育成条例の中にある、淫行条例、つまり、青少年(既婚者を除く18歳未満の男女)との「淫行」「みだらな性行為」「わいせつな行為」「みだらな性交」の規制の定めを、「青少年(既婚者を除く18歳未満の男女)」から「青少年(18歳未満の男女)」とすることができます。
 
 なお、養子をとれる年齢は、現行の20歳を維持します。
 
 成人年齢の引き下げにあわせ、年齢要件を「未成年者」や「20歳」などと定めている他の法律も見直します。
例えば、飲酒や喫煙ができる年齢は現在の20歳以上を維持するため、法律名の「未成年者」を「20歳未満の者」に変えます。
 
 競馬や競輪などの公営ギャンブルも法改正で20歳未満はできないままにします。
 
 一方、少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げるかどうかは、法制審議会(法相の諮問機関)で議論が続いています。
 
 私個人の意見としては、18歳ともなれば、少年法の適用がないとして十分かと思います。
 現在の法制は犯罪者に甘すぎます。
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