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2018年バックナンバー

雑記帳

1ドルオークション

 1ドルオークション(1Dollar Auction)という言葉をご存じでしょうか。

 1ドル札は文字どおりのただの1ドル札ですから、本来の値段は1ドル以上でも以下でもありません。普通のオークションではありません。

 

 1ドルオークションのルールは、以下のとおりです。

 1 何セントでもよいので最高落札者が1ドルをとることができる。
 2 誰かが、落札したときには、その他参加者も、自分が落札申込みをした金額を支払う
 

 具体的には、Aさんが55セント、Bさんが50セントと言ったところで落札したとすると、Aさんは1ドルを55セントでもらえるのに対し、Bさんも(1ドル札はもらえないのに)50セント払わなくてはなりません。

 

 どんなオークションになるのでしょう。

 スタート金額は「1セント」から。なにしろ1セントで1ドル札を買えるのなら参会者は多いでしょう。

 「2セント」「3セント」「4セント」とつりあがります。

  50セント払ったとしても、まだ50セントの儲けですね。

  ただ、2人でオークションをしている場合でも、1ドル札の出品者は1ドル回収できるようになります。

 

 「99セント」の値がついたあたりから、参加者は「だまされた」ということに気付きます。

 

 上をいくために「1ドル」をつけなければなりませんが、1ドルで1ドル札を買って「利潤」はありません。

 かといって、99セントの入札者に譲れるでしょうか?

 さきほど98セントで値をつけているので、もしここでやめると、何ももらえないのに98セント払うことになります。

 1ドルと言うでしょうね。全くもうけはありませんが、98セント損するよりましです。

 

 1ドルをつけられた「99セント」の人はどうするでしょう。落札するためには1ドル1セント払わねばなりません。つまり1セントの損になります。

 しかし、それでもだまって見過ごす(その場合は99セントの損)に比べればはるかによいので、101セント(1セントの損)を提示するでしょう。そして、次は102セント、103セント、104セント・・・。

 

 終わりはあるのでしょうか。

 ありませんね。
 1ドルという境界線を越えてしまえばあとはもう分岐点はありません。2ドルだろうが3ドルだろうが、どこまでいっても「やめたら損」という状態は変わりません。

 

 やめるにはそれなりの勇気が必要です。「これ以上続けると損が増える」ということを考えれば止められるのですが、「相手が先にあきらめてくれればもうけもの」と思うとまた迷いますね。

 際限なく、続くようにも見えますが、適当なところで「少し利口な」人が落札します。

 

 1ドルなら、「少し利口」な人ですが、1万ドルのオークションをすれば、財力のない人が負けます。

 

 もちろん、そんなオークションはありません。
 あるとしても、最初から参加しないのが賢明です。
 参加者全員が「ぐる」になれば別です。
 「1セント」「2セント」「3セント」といったところで落札。合計94セントの得。33セントずつ「山分け」すればよいのです。

 

  これに似たようなことが実社会にもあります。

 

 核兵器の開発競争をしている国が2カ国あります。

 核兵器が相手を上回ると、こちらもやめられません。

 しかし、核兵器で後れをとった状態で、開発投資をやめるということは、開発資金が無駄なことになってしまう・・

 最終的には、経済力の弱い国が「まあいいや。別のターゲットに使おう」

 

 1ドルオークションにはまらないためには、最初から参加しない、あるいは、参加者が「ぐる」になるしかありません。

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