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2018年バックナンバー

雑記帳

高速道路の料金所から「一般レーン」がなくならない理由

 全国の高速道路にETCが導入されたのは、平成13年のことです。
 
 翌月の利用率はわずか0.9%でした。
 
 当時のETCは、ゲートをノンストップで通過できるだけで、それ以外の特典はなく、車載器も取付工賃込みで5万円程度しました。
 
 そろばん勘定があうはずもなく、ほぼ誰も通らないETCゲートを通れる気持ちの良さのみでした。
 
 ETCが本格普及を始めたのは、ETC利用を利用すると、ハイウェーカード(ハイカ)と同じ割引率にしたこと、偽造問題などでハイカが廃止されたことが1つの要因です。
 
 運送業者など大口利用者向けの別納割引も廃止されたことも1つの要因です。
 
 また、ETC利用の場合に限り「土日休日高速料金上限1000円」という割引制度が導入されたことも一因です。
 
 最近のETC利用率は約90%で、現金支払い車はかなりの少数派になっています。
 
 ETCを利用すると料金が割引される優遇制度があります。
 
 高速道路の渋滞の約3割を占めていた料金所渋滞は、ほぼ消滅しました。
 
 そのほか、環境の改善や人件費の削減といったメリットもあります。
 
 これほど普及しているETCですが、有人のレーンは必ずあります。
 
 1つの理由は、めったに高速道路を使わない自動車があるということです。
 
  ETC搭載車両は、現在約3300万台ですが、日本の自動車保有台数約8000万台の半数にもなりません。
 
 最近のETC利用率約90%というのは、高速道路をほぼ使わない、あるいはまったく使わない自動車が相当数存在するということになります。
 
 地方にいけば、公共交通機関が不十分なため、自動車を日常の足としてしか利用しないドライバーが多いですね。
 高齢ドライバーなどは、高速道路にはあまりのりません。
 
 わざわざETC車載器を取り付けてETCカードを作るのは面倒です。
 
 現金利用も可としている限り、利用率を100%にして、ETCレーンのみにするのは不可能です。
 
 2つめの理由は、クレジットカードを持たない人がいるからです。
 
 破産や個人民事再生をしてブラックリストにのっている人はクレジットカードをもてません。
 
 また、主義として、クレジットカードを持たない人もいます。借金は絶対嫌だという日となどです。
 
 ETCはクレジットカードを前提としていますから、現金払いのレーンは必要です。
 
 なお、クレジットカードがなくても、ネクスコ(高速道路会社)が発行しているETCパーソナルカードを利用すれば問題ありません。
 
 ETCパーソナルカードは最低4万円の保証金を預託しておいて、通行料金は後から月単位で口座引落としされます。
 
 面倒なシステムですね。
 
 それなら、現金払いにしようとするドライバーがいるのは必然です。
 
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