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2018年バックナンバー

雑記帳

ミニマックス原理とマクシマックス原理

 不確定要素を含む意思決定を行う場合の判断基準については、主として、マクシミン原理(maximin principle)=ミニマックス原理(mini-max principle)と、マクシマックス原理(maximax principle)があります。

 

 マクシミン原理(maximin principle)=ミニマックス原理(mini-max principle)とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最悪の場合の利得を考え、損害をした場合に一番損害が少ないようにする戦略です。

 

 これに対し、マクシマックス原理(maximax principle)といって、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最もうまくいった場合の最大利得を考え、これが最大となる戦略を選択することです。

 

 一般的に、慎重な人や悲観的な人は、マクシミン原理・ミニマックス原理を選択しがちですし、強気の人や楽観的な人はマクシマックス原理を選択しがちです。

 

 私の場合、自分のことと、自分が弁護士としててがけている事件で違います。

 

 私は、事柄にもよりますが、自分のことについては、損によるダメージよほどが大きいものでなければ、マクシマックス原理をとります。

 理由は簡単で、私は自分には「運」があると信じていますから。

 また、だめなら、自己責任で問題はなくなります。

 


 事件の場合は逆です。

 

 基本的には、依頼者に説明して、依頼者の同意を得て訴訟方針を決めるのですが、「先生はどちらがいいとお考えでしょう」と聞かれた場合、原則として、慎重に、マクシミン原理=ミニマックス原理をすすめます。

 

 基本的に、私は、正直なところ、裁判官の能力を信じていません。よほど、明確白な事案でもない限り、和解で決着をつけず、判決になりますと、「丁半博打」に近いものになりますから。

 

 もっとも、依頼者が、破産寸前のじり貧状態で、一発当てれば破産を回避できる可能性がある場合、依頼者が敗訴しても、どうせ強制執行する財産が全くない場合などは、「丁半博打」に負けても、大勢に影響はありません。

 

 また、訴額が小さく、たとえ完敗でも大したことがないときなども強気で行きます。

 

 自分の場合は、自己責任の範囲でどうでもいいのですが、依頼者には、例え、説明と同意(インフォームド・コンセント)を徹底しても、依頼者の「自己責任」と突き放すわけにもいきませんからね。

 

 もっとも、最終的に判断するのは依頼者です。

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