2018年バックナンバー
雑記帳
長距離巡航ミサイル
中国が海洋進出を強め、北朝鮮が弾道ミサイルの発射など挑発行動を繰返し、地域の安全保障環境が厳しさを増しています。
小野寺五典防衛相は、平成29年12月8日の閣議後会見で、戦闘機から遠隔地の目標物を攻撃できる複数の長距離巡航ミサイルを導入する方針を正式に表明しました。
平成30年度予算案に取得・調査経費を計上しました。
導入するのは航空自衛隊の主力機F15に搭載する「JASSM―ER」と「LRASM」(射程900キロ)と最新鋭ステルス機F35に搭載する「JSM」(同500キロ)です。
小野寺大臣は、日本の離島への攻撃があった場合に備えるとしています。
日本の離島へのミサイル発射なら、自衛であることは全く問題がありません。
ただ、ミサイルの射程は900キロに及ぶことから、北朝鮮のミサイル基地などをたたく敵基地攻撃能力があるという意見もあります。
小野寺大臣は会見でこの点について、「我が国に侵攻する敵の水上部隊や上陸部隊に対処する。敵基地攻撃を目的としたものではなく、『専守防衛』に反するものではない」と強調しました。
小野寺大臣は「敵に近づくことなく、我が国に侵攻する敵の水上部隊や上陸部隊に対処することで、より効果的・安全に各種作戦を行うことが可能になる」と説明。「自衛隊員がより安全に任務を遂行できるよう、適切な装備を整えるのが政府の責任だ」とも訴えました。
なお、他国の領域内の標的を狙う「敵基地攻撃能力」の実質的な保有にあたるとも解されます。
政府は、敵基地への攻撃について、「ミサイル攻撃などを防御するために、ほかに手段がないと認められる限り、法理的には自衛の範囲に含まれる」としています。
やむを得ないのではないでしょうか。
むしろ、遅きに失した気がします。