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2018年バックナンバー

雑記帳

アメリカが韓国の鉄鋼線材製品に41.1%の反ダンピング関税

 アメリカ政府は、平成30年5月1日、韓国製の鉄鋼線材製品に41.1%の反ダンピング関税を適用することを決定しました。

 

 これに先立ち、アメリカは、平成30年4月30日、鉄鋼とアルミニウムに25%の高関税を課す輸入制限措置をとりましたが、メキシコ、カナダ、オーストラリア、EU、韓国などを当面、適用除外としていました。

 これは安全保障を理由にした貿易制裁という性質の関税です。

 

 メインターゲットの中国はもちろんですが、日本も適用除外となりませんでした。

 

 もっとも、日本からアメリカへの鉄鋼とアルミニウムの輸出はわずかで、高品質が多く、他国製品では代替が難しい者が多いので、輸出量に、さほど影響はないとされています。

 

 韓国は、鉄鋼とアルミニウムに25%の高関税を課す輸入制限措置を免除してもらうため、2015~2017年の鉄鋼製品の対アメリカ平均輸出量の70%に輸出を制限(クオータ制導入)することで合意しました。

 

 その上で、為替介入制限の合意まで受諾して、やっと、25%の高関税を課す輸入制限の免除国となったのですが、支払う対価は、莫大なものです。

 

 韓国には、それとは別の関税が待ち受けていました。

 

 アメリカ国際貿易委員会(ITC)は、韓国など5カ国が輸出した線材がアメリカ鉄鋼業界に実質的な被害を与えているとして、5年間にわたり、最高147.63%の反ダンピング関税を適用することを決めました。

 

 最高税率147.63%はイギリスに適用され、韓国にはそれに次ぐ41.1%の税率が適用されます。スペインには11.08%から32.64%、イタリアには12.41%から18.89%、トルコには4.74%から7.94%の関税が課されます。

 日本には課されません。ダンピングをしていないからです。

 

 アメリカ政府が、正反対の措置をわずか2日間に相次いで取ったことについて、韓国政府は「当初から個別の案件だった」と説明しました。

 しかし、業界からは韓国政府が韓アメリカ自由貿易協定(FTA)再交渉の合意で通商摩擦が解消されたかのように自画自賛し、油断していたのではないかとの批判がわきおこっています。

 

 韓国政府は愚かですね。

 

 日本は、経済的に余裕がありますから、どっしりと構えるのが賢明かと思います。

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