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2018年バックナンバー

雑記帳

自殺幇助

 評論家の西部邁氏(当時78)は、平成30年1月に自殺しました。
 
 警視庁は、西部氏の自殺を手助けしたとして、平成30年4月5日、西部氏の知人である、東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の子会社社員窪田哲学(45)と、会社員青山忠司(54)を自殺幇助の疑いで逮捕し、東京地検は、平成30年3月26日、自殺幇助で起訴しました。

 現場からは遺書が見つかり、警視庁は自殺と断定しました。
 
 しかし、西部氏が病気の影響で手が不自由で、ロープの装着などを一人で行うのは難しいとみて捜査が開始され、窪田防犯カメラの映像などから2人が浮上したということです。
 
 刑法202条には、以下のとおり定められています。
「 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する」
 
 自殺幇助は犯罪です。
 
 ただ、刑法199条に「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」に比べると、かなり刑は軽いですね。
 
 自殺した人、あるいは、自殺をした人は罰せられません。
 自殺をしてしまった人が罰せられないのは当然ですが、自殺未遂をした人も罰せられません。
 
 いわば「主犯」が処罰されないのに、いわば「従犯」である自殺幇助はなぜ処罰されるのでしょうか。
 
2つの考え方があります。
 
1つめは、自殺自体がそもそも違法であり、教唆や幇助は、違法な自殺行為の共犯であるという考え方です。主犯は政策的な理由により処罰されないと例外いうことになります。
 
2つめは、自分の命をどうするかはその人自身の意思に委ねられる問題であり、自殺自体は違法ではない。しかし、自分の命をどうするか決めることができるのは本人だけであり、他人がそれに影響を及ぼしたりすることは、生命に対する違法な侵害になるという考え方です。
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