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2018年バックナンバー

雑記帳

はれのひ、資産なく配当不可能

 平成30年6月20日、成人の日を前に突然営業を取りやめた振り袖の販売・レンタル業者「はれのひ」(横浜市中区、破産手続き中)の第1回債権者集会が開かれました。
 
 破産管財人は同社側に資産がほとんどなく、債権者への配当が不可能な状況を説明し、配当の見込みがないため、横浜地裁は同日、破産手続きを打ち切る廃止決定を出しました。
 
 破産管財人の増田尚弁護士によると、債権者の総数は約2500人で、うち約2000人が顧客で、負債総額は約10億8500万円だそうです。
 
 内訳は、借入金が約4億円、顧客の損害が約3億4000万円、買掛金が、約1億8000万円、税金・社会保険料の滞納が約7800万円、未払賃金が約2600万円などです。
 
 資産は、商品である着物類しかなく、同社で保管されていた着物は計約1040枚で、購入者の特定された約220枚は返還され、残り約820枚が同社の所有分で、着付け関連の業務を手掛ける会社に1620万円で一括譲渡されました。
 
 管財業務に要した費用と管財人報酬が最優先で、次順位の税金・社会保険料の滞納が約7800万円、未払賃金が約2600万円ですから、配当はなしということになります。
 
 篠崎洋一郎前社長は、欠席だったそうです。
 
 破産法には、以下のとおり定められています。
37条
1項 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れること
40条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは144条2項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。
1号 破産者
2号 破産者の代理人
3号 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人
4号 前号に掲げる者に準ずる者
5号 破産者の従業者(第2号に掲げる者を除く。)
136条
1項 債権者集会の期日には、破産管財人、破産者及び届出をした破産債権者を呼び出さなければならない。
 
 というニュースがあってまもない平成30年6月23日、神奈川県警は、決算を粉飾した財務書類を使って銀行から融資金をだまし取った疑いがありとして、詐欺容疑で同社元社長の篠崎洋一郎容疑者(55歳)を逮捕しました。
 
 篠崎洋一郎容疑者は、アメリカ旅行中だったようです。
現実問題として、破産して配当がある事件は希です。
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