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2018年バックナンバー

雑記帳

自動運転における損害賠償責任

 政府は、平成30年3月30日、自動運転中の車の事故について、原則として車の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めました。

 

 平成30年3月30日、未来投資会議(将来の経済成長に資する分野における投資を官民が連携して進め、未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るための司令塔として開催される会議で、内閣総理大臣を議長とし、関係する国務大臣や有識者が参加します)は「自動運転にかかわる制度整備大綱」を示しました。

 

 2019年度にも、国会に関連法案を提出する予定です。

 

 「自動運転にかかわる制度整備大綱」は、自動運転車が普及し始める2020年から2025年に向けて、法整備や規制の方向性を示す内容です。

 

 自動運転の段階で見ると、運転手が乗った状態で限られた条件で運転を自動化する「レベル3」までが主な対象ということになります。

 

 運転席に人が座らない「レベル4」以上は今後検討の対象となります。

 

 「自動運転にかかわる制度整備大綱」においても、自動運転中の事故の賠償責任は自動車損害賠償責任保険(自賠責)では原則、所有者にあると確認しました。

 

 一般の自動車と同じ扱いです。

 

 メーカーの責任は車のシステムに明確な欠陥がある場合のみとします。

 

 自賠責に関する方針が定まったことで、民間の任意保険の設計も進む見通しです。

 

 外部から車のシステムに侵入するハッキングで事故が発生した場合、所有者がシステム更新など、セキュリティー対策をしていることを条件として、損害は政府が補償することにします。

 

 自動運転に関する賠償制度の土台が固まり、メーカーが過大な責任を負う懸念が薄れたことで、事業化の動きが加速しそうです。

 

 ただ、交通事故の際の刑事責任など、結論を出す時期のメドも立っていません。
 これからの検討が待たれます。

 

 交通事故は、一時期「交通戦争」といわれましたが、死亡事故の減少に象徴されるように、重大な交通事故は減少の一途をたどっています。

 

 当然、重大な交通事故の数は減っています。

 

 自動運転の自動化によっても、減少することでしょう。

 

 弁護士の仕事も、減少していくことになると思います。

 

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