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2018年バックナンバー

雑記帳

日立、ロンドン地下鉄車両入札で不服申立て

 日立製作所は、平成30年7月23日、イギリスでの地下鉄車両の入札を巡り、英裁判所の高等法院に不服申し立てをしたと発表しました。

 

 入札に参加したカナダのボンバルディアと共同で申立てました。

 

 この入札では、ロンドン市交通局が、平成30年6月15日に独シーメンスに94編成の車両を約15億ポンド(約2200億円)で発注したと発表していました。

 

 ロンドン市交通局はロンドン北東部と西部を結ぶピカデリー線の混雑解消などを目的に、2023年から車両の増便を計画しています。

 

 日立製作所とカナダのボンバルディアの両社は、イギリスでの鉄道車両の受注実績や生産体制などを踏まえ、「落札できなかった理由が不透明」としており、裁判所に適切な開示を求めています。


 その他でも、日立製作所がイギリスでの鉄道事業で試練に直面しています。

 

 平成30年7月24日に営業運転を始めた新型電車は予期せぬ部品の交換を強いられて引渡しが遅れました。

 

 日立製作所が受注した、イギリスのグラスゴーとエディンバラを結ぶ路線は、平成29中に運転開始の予定でしたが、車両の不具合の修正に時間がかかるなどして大幅に延期されています。

 

 鉄道インフラを管理する別会社の電化工事が進まず、日立の車両のテスト走行開始が遅れたのが発端でした。

 

 さらに「運転席の窓ガラスに信号機の光が二重に映る」などと運転士の生の声に触れられたのも平成30年1月にずれ込み、急きょ取り換えを強いられました。

 

 イギリスメディアによりますと、営業運転の開始が遅れたことについて、スコットランド自治政府の閣僚から日立製作所の責任を問う声も上がったそうです。

 

 日立製作所がこれまでに引き渡したのは、受注した70編成(234両)のうち11編成で、残りを2019年までに順次納入する計画です。


 そこにもって、本命視されたロンドン地下鉄の新型車両の受注を逃しました。

 

 世界の鉄道車両メーカーの一角として存在感を示すには、リスク管理を高められるかがカギになりそうです。

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