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2018年バックナンバー

雑記帳

専門分野と用語

 外来語由来の用語には、各分野で、同じ意味の言葉が全く違う表現をされたり、逆に、同じ言葉が、日本語のニュアンスからすると別の意味(実質同一ですが)に用いられたりします。
 
 前者の例としては、法律の世界では「逸失利益」と呼ばれるものが、経済の世界では「機会費用」と呼ばれたりします。
 
 これらが、「同一」の意味の言葉であるということを知っている人は、あまり多くありません。
 
  後者の例としては、コンプライアンス(compliance )があります。法律の世界では「法令遵守」です。
 
 しかし、医師の世界では、患者の「受容度」「応諾率」などの意味で用いられることが多いです。
 
 「受容度」「応諾率」とは、対象者のうち、医療上の指示を受容する者の割合で、例えば、作為をなくした比較対照試験において、検診群の中で特に検診を指示された者のうち、実際に検診を受診する者の割合を意味します。
 
 また「服薬コンブライアンス」という表現のように、患者が、医師の指示どおりの服薬を実行するかどうかなどに使われます。
 
 弁護士の場合は、弁護士自身のコンプライアンス(compliance)=「法令遵守」は、自分の資格自体を失いかねない重要なことである認識されています。
 
 これは、弁護士法違反ではないか、これは弁護士倫理(正式には「弁護士基本職務規程」となっています)違反ではないか、絶えず自問しながら仕事をしています。自問だけではなく、その手の「エキスパート」に聞くこともあります。ちなみに「エキスパート」とは、弁護士倫理委員会、綱紀委員会、懲戒委員会などに在籍している、あるいは、永年在籍・活躍してた弁護士などのことです。
 
 弁護士の法令遵守にも、例外があり、「弁護士不祥事」と大きく報道されています。
 
 もっとも、新聞報道されるような事例は、弁護士としてというより、社会人として問題外の法令違反があったことが大多数です。
 
 ちなみに、大学の医学部や病院など医療機関も、コンプライアンス(compliance)=患者の「受容度」「応諾率」などと言ってられなくなりました。
 
 大学の医学部や病院など医療機関も、裏口入学や、男女による試験算定の不公平など、コンプライアンス(compliance)=「法令遵守」の不遵守はひどいようです。
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