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2018年バックナンバー

雑記帳

朝鮮日報「文大統領、やりたかったことは全部やったでしょ?」

 朝鮮日報・平成30年9月2日付記事
 

---引用開始---

 

 インターネット上に「イニはやりたいことをもうやったでしょ?」というコメントが付いた。イニとは文在寅(ムン・ジェイン)大統領の愛称だ。以前は「イニ、やりたいことをやって」というのが支持者の合い言葉だった。それが最近はもういい加減にしたらどうかというニュアンスがコメントに込められるようになった。

 

 文在寅政権の政策を見ていると、まるで世の中を甘く見ているようだ。正義で平易で明快な答えがあるのに、悪い政権が正しい答えを阻んできたという考えだ。自分たちのように善人の側が政権を掌握したのだから、正義で平易で明快な答えで問題が解決されるはずだという。常に勝利する映画の中の主人公が現れた格好だ。

 

 まず着手したのが「非正社員ゼロ」だ。非正社員は企業が勤労者を搾取する制度なので、主人公の大統領がなくせと指示すれば、それで終結する問題だと考えたようだ。非正社員が生じざるを得ない構造がある。韓国のように解雇がほぼ不可能で、労組が少しも自己利益を譲歩しない構造のままであれば、非正社員はなくならない。文大統領に真っ先に非正社員をなくすと報告した政府系企業はこれまで内部対立が絶えない。正社員が「不公平だ」と不満を爆発させるとは予想していなかったのだ。ほぼ全ての政府系企業と学校で同様の現象が起きている。世の中は映画のように単純ではない。

 

 脱原発も安易に考えたようだ。これだけ大きな決定をしておいて、専門的な検討を行った形跡はない。門外漢が公約を作成した。福島原発事故があったのだから、脱原発を皆が喜ぶはずだと考えたようだ。原発の代わりに太陽光、風力などの自然エネルギーを使えば、さらに完璧だと考えたのだろう。それが映画のような話だということを大半の国民は知っている。

 

 韓国の製造業が現在の地位を築けたのは、安価で良質な電力と水のおかげだった。ところが、電気どころか水のことも安易に考えている。政権発足間もなく、4大河川の堰(せき)を開くと言いだした。堰の撤去論まで飛び出した。自然河川が復元されれば、水質が改善するとも主張した。現政権は4大河川事業の推進前、韓国のほぼ全ての河川がドブ川化していた現実に目を向けようとしない。4大河川事業によって川が川らしくなり、貴重な水の量が8億トンから16億トンに増えた。周辺の貯水池まで含めれば、12億トンも水資源が増えた。

 

 1年に雨季は1-2カ月という国では水は大きな国富だ。堰を開放した結果、川底が現れ、水質はさらに悪化した。4大河川の堰は干ばつの際の最後のとりでであり、洪水の際には安全弁になる。現政権は重要な水管理の権限を国土交通部(省に相当)から環境部に移管した。水問題をどれほど軽視しているのかを端的に示している。

 

 マンションとの戦争も安易に考えた。規制と税金でコントロールすればよいのに、悪の歴代政権はそれを行わなかったと考えたのだ。その結果、ソウルでは住宅価格がさらに上昇し、地方はさらに冷え込んだ。市場の一方を押せば、一方が飛び出すものだ。不動産保有税の引き上げでマンションとの戦争に一時的に勝利しても、建設景気が冷え込み、雇用と成長率を損ねる。大学修学能力試験における絶対評価の公約も入試問題を軽視したものだ。学習負担が軽減され、学生と保護者が歓迎すると期待したのだろうが、ふたを開けてみれば、世論の反発を受け、事実上放棄された。仮想通貨問題も安易に禁止論を持ち出して失敗し、労働時間短縮にも副作用が表れている。

 

 雇用を創出すると言って、国民の税金を50兆ウォン以上つぎ込んだが、7月の雇用は5000人増えたにとどまった。最低賃金と雇用問題をあまりに甘く見た。今後3年間で30兆ウォンが必要になる文在寅ケア、120兆ウォン規模の住宅福祉、50兆ウォン規模の都市再生などがどんな問題を引き起こすのか分からない。映画の主人公のハッピーエンドは現実には存在しない。

 

---引用終了---

 

 日本人には、韓国の大統領の経済政策がどうなのかは関心がありません。

 

 現在のムン・ジェイン大統領の経済政策は、「最低賃金大幅引上げ」「非正社員ゼロ」と、経済の実態に則していないものが多すぎます。

 

  経済の実態を無視して、「非正社員ゼロ」といえば、企業は、怖くて雇用することに慎重になり、非正規社員としても雇用されない人がでるでしょうし、「最低賃金大幅引上げ」は、中小企業によるアルバイトの首切りにつながっています。

 

 ある意味、日本は健全です。

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