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2019年バックナンバー

雑記帳

アナフィラキシーショック

 令和元年10月、強い毒を持つ南米原産のヒアリの女王アリが東京の青海ふ頭で多数確認されたことを受けて、政府の関係閣僚会議が開かれ、菅官房長官は、全国の港湾や空港の状況を緊急に再点検するなどヒアリの定着防止に向け、全力で対応するよう指示しました。
 
 「ヒアリ」は南米原産の赤茶色の小型のアリで、体長は2.5mm~6mmで、スズメバチと同じくらい強力な毒を持っています。
 
 「ヒアリ」の腹部にある針で刺されると、やけどのような激しい痛みが生じ、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)によって死に至ることもあります。
 
 なお、ハチに2回刺された人が死亡することがありますが、やはりアナフィラキシーショックです。
 
 アナフィラキシーとは何でしょう。
 
 生体の中に抗原(アレルゲンと呼ぶ)が侵入すると、生体はその抗原に対して特異的な抗体(IgE抗体等)を産生し、再び同一の抗原が体内に入ると抗原抗体反応が起こり、それを除去しようとします。
 
 この抗原抗体反応は生体の防御反応の一種ですが、ときに生体にとって極めて有害な反応を引き起こします。
 この反応は防御反応(phylaxis)と反対の状態を意味する"ana"をつけてアナフィラキシー(anaphylaxis)と呼ばれています。
 
 また、アナフィラキシーのうち、血圧が下がってショック状態に陥ったものをアナフィラキシーショックといいます。
 
 アナフィラキシーの典型的な症状としてはじんま疹、紅斑、呼吸困難、めまい、腹痛、下痢、意識障害などがあげられます。
 
 1回目は無事です。
 
 しかし、2回目には、抗体(IgE抗体等)ができてしまっています。
 
 再び同一の抗原が体内に入ると抗原抗体反応が起こり、それを除去しようとします。
 
 その結果、死に至ることもあるわけです。
 
 1回ハチに刺された人は、2回目に重篤な症状に陥ることがありますから、嘔吐などの症状が出た場合、軽く見ずに病院などで受診されるのが賢明です。
 
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