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2019年バックナンバー

雑記帳

欧州議会、夏時間廃止「2021年に実施案」可決

 
 欧州連合(EU)の欧州議会は、平成31年3月26日、仏ストラスブールで開いた本会議で、EU加盟国が一律採用しているサマータイムの制度を2021年に廃止する案を賛成多数で可決しました。
 EUの執行機関である欧州委員会は、平成30年9月、2019年の早期廃止を欧州議会と加盟国政府に提案していたのですが、欧州議会は廃止時期の2年先送りを支持しました。
 順次、加盟国政府でつくる閣僚理事会と最終合意を目指すという方向です。
 廃止には加盟国政府の承認が必要となります。
 ヨーロッパのサマータイムは、EUの夏時間制度はすべての加盟国を対象に、毎年3月の最終日曜日に時計を1時間進めて夏時間とし、10月の最終日曜日に標準時間(冬時間)へと戻す仕組みです。
 おおざっぱに言えば、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月の7か月がサマータイム、11月、12月、1月、2月、3月が標準時間(冬時間)ですから、サマータイムの方が時間が長いことになります。

 EUの執行機関である欧州委員会は、平成30年7月から8月中旬にかけて、EU域内の市民に夏時間の廃止の是非やその理由などを調査しました。
 欧州委員会によりますと、全28加盟国から460万件以上の意見が寄せられたそうです。
 サマータイム廃止支持が多数となったのは、手間がかかるわりに、省エネルギーなどの効果が乏しいという見方が広がったためとみられます。
 夜間のエネルギー消費の削減が期待されたが、パソコンなど日照時間と関係なく使う電気製品が増えたことで効果が限られてきています。
 また、高齢者や子どもの健康面への悪影響を心配する声も強まっています。
 欧州議会が、平成29年10月にまとめた報告書では、体内時計への悪影響による睡眠障害や注意力低下に伴う事故の増大、心臓発作のリスク増などの可能性を指摘しています。
 平成30年2月に特別決議を採択し、徹底的に現行制度を検証して、必要ならば廃止も含めた見直しをするように欧州委員会に求めていました。

 日本でもサマータイム導入の可否を検討するとかいっていましたが、ヨーロッパではサマータイム廃止の方向のようです。
 なお、日本でも、昭和23年から昭和26年までの3年間、サマータイムを導入していました。第二次世界大戦の敗戦後、米軍などになどよって占領統治されていた時期のことです。サンフランシスコ条約は昭和27年のことです。
 日本には向かなかったようです。
 私は1982年から1984年までドイツに留学していましたが、サマータイムが、得とも損ともいえなかった記憶があります。
 どちらでもいいなら、時間を進めたり戻したりする必要はありません。
 
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