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2019年バックナンバー

雑記帳

ドイツSPD党首辞任

 現在のドイツの連邦政府の与党は、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)の連立政権です。
 
 メルケル連邦首相は、CDUの党首として連邦首相をつとめてきましたが、平成29年の連邦議会選挙の大敗北の結果を受けて、CDUの党首は辞任しています。
 
 令和元年6月2日、SPDのナーレス党首が党首を辞任する考えを示しました。
 
 SPDは、令和元年5月26日投開票の欧州議会選において、過去最低の15.8%の得票にとどまり、緑の党に抜かれて第3党に転落しました。
 
 また、同日(令和元年5月26日)投開票されたブレーメン州の市議会議員選挙(Bürgerschaftswahl 。ブレーメン市は1市で州と同格のため、州議会議員選挙(Landtagswahl)とは呼ばれません。)において、戦後70年以上維持してきた第1党の座を失いました。
 
 SPDは、平成29年の連邦議会選挙で大敗した後、ナーレス氏を新党首に据えて党勢の回復を目指してきましたが、退潮に歯止めが全くかかりません。
 
 令和元年5月1日の世論調査によりますと、緑の党の支持率が9ポイント高い27%となり、2ポイント落としたCDU・CSUの26%をわずかに上回わったほか、SPDは5ポイント低下の12%にとどまりました。
 
 ナーレス党首は、6月3日以降の会議で辞任を正式に表明する見通しです。
 
 SPD内では大連立政権に参加していることが党の存在感を埋没させ、支持率の低下につながっているとの見方があります。
 といいますか、大連立政権に参加していることが、SPDの支持率低下に結びついていることは間違いありません。
 
 新党首の選任の過程では、大連立政権にとどまるかどうかが争点になるとみられます。
 
 メルケル連邦首相が属するキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は平成29年の連邦議会選挙後、FDP(自由民主党)、Die Grünen(緑の党)との連立交渉に失敗し、最終的にSPDと大連立政権の樹立で合意した経緯があります。
 
 FDP(自由民主党)とDie Grünen(緑の党)が水と油ですから、連立できるはずはありません。
 
 仮にSPDとの連立が解消した場合、CDU/CSUは新たな連立相手を探さなければなりませんが、過半数を占めるためには、FDP(自由民主党)、Die Grünen(緑の党)と連立しなければなりませんが、ほぼ不可能です。

 メルケル政権の崩壊や議会の解散・総選挙につながります。
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