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2019年バックナンバー

雑記帳

氷山の一角

 弁護士不祥事が相次いでいます。 
 
 新聞報道だけではなく、日本弁護士連合会の発行する「自由と正義」で、特に目立つのが、預り金の横領です。
 
 預り金の横領は昔からありました。
 
 ただ、親戚や他の弁護士に助けてもらって、当該被害者に弁償し、表には出ないケースもありましたが、親戚はともかく、他の弁護士に助ける余裕はありません。
 
 その昔、預り金の横領といえば、不動産や株式投資の失敗、「飲む打つ買う」と相場が決まっていましたが、今は、経営難という理由が多くなっています。
 
 また、昔は、カバーできないほどの多額の横領というと、「高齢弁護士」「働盛り」と相場が決まっていました。
 
 多額の預り金を横領するということは、大きな事件=もうかる事件をしているということです。
 
 小さな事件をしていたのでは、カバーできないほどの多額の横領はできません。
 
 若い弁護士は、大きな事件は、あまり、まわってきません。
 
 最近若い弁護士さんの多額の横領事件も多くなりました。

 多額の横領をするような大きな事件を扱っているのに、なぜ、経営に困るのかという素朴な疑問がわきます。
 
 成年後見なのですね。

 成年後見は、司法書士さんでも裁判所から任命されます。
 弁護士であれば、いくら若くても、成年後見に任命されます。
 成年後見なら、何千万円や億単位のお金を扱いますから、横領しようと思えば横領できます。
 
 なお、いま、新聞紙上をにぎわせているのは「氷山の一角」といわれます。
 
 「氷山の一角」とは、表面に現れている事柄は好ましくない物事の全体のほんの一部分であるということです。
 
 氷の比重は0.92です。
 
 多少の違いはありますが、海の水は、1kgの水に30gの塩分が溶込んでいます。
 
 計算すると(あっているでしょうか)、氷山は、12%は海上に出ていますが、海面下には88%隠れているということです。
 
 タイタニック号は、氷山の海中部分に船体をあて、それが致命的になりました。
 
 弁護士に依頼しようとする人は、「氷山」の海面下の部分に注意しなければならないことになります。
 成年後見は、気をつけようがありませんが。
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