離婚
夫婦の婚姻前の預貯金
結婚前に有していた預金などを、どちらの預金を使ったかで不公平がでる場合があります。
例えば、夫も妻も晩婚、結婚前に実家で暮らしていたので、それぞれ500万円の預貯金があったとします。
妻は仕事を辞めて専業主婦になり、子宝にも恵まれました。
妻は仕事を辞めて専業主婦になり、子宝にも恵まれました。
夫の給与では足りず、夫の預金を取崩しながら生活し、妻の預貯金は使わないまま暮らしてきて、夫の預貯金は0になりました。夫の預金は大阪府の銀行に、妻の預金は京都府の銀行でした。
夫が転勤して、福岡県の銀行に口座を開設しました。
子どもも手が離れるようになり、妻が仕事を始め、新たに開設した夫名義の広島県の銀行の預貯金が増えていきました。
夫婦が離婚することになりました。
夫名義の預金は1000万円になっていました。
財産分与の話になりました。
財産分与の話になりました。
夫の福岡県の銀行の預金1000万円は、500万円ずつの分与となります。妻の京都府の銀行の預金500万円は、手つかずのままになっています。
妻は京都府の銀行の預金500万円+分与される分の500万円、夫の福岡件の銀行の預金は分与の結果500万円が残りました。
公平でしょうか。
仕事を辞めた妻のハンディキャップといえなくもありません。ただ、逆に、妻の預金を全部使って、夫の預金が全部残っていたらどうでしょう。
この手の不公平は、結構あります。
幸せな結婚生活をしているときは問題ないのですが、このような例がありますから、特に妻は、自分の結婚前の預貯金を生活費として拠出するのは離婚した場合損ですから、できるだけ死守するようにするのが賢明です。最初から、夫に預金の存在を教えず、通帳を親元においておけばよいのです。
また、夫婦のいずれのものか明らかではない財産は、夫婦の共同財産と推定されます。
結婚前の預貯金は、そのままの金融機関に預けたままにするままがいいです。
例えば、転勤で不便だからといって、他の銀行に預けるまではいいのですが、そのとき、自分あるいは配偶者の給与振込みの預金からの引出し分を加えて預金すると、後になって、預金すべてが夫婦の預金だといわれかねません。
預金を複数の金融機関に分割したり、預金をまとめたりするのも損です。預金を株式や信託にかえるのも損です。
預貯金は、夫婦共有の財産と推定され、金融機関は過去5年分の取引履歴しか出してくれませんから、結婚前の預金であるということは、結構難しいということを考えておいて極力預け替えなどはしないのが賢明です。