離婚
退職金と財産分与
退職金は、就業規則に退職金規定がある会社、公務員のように法令で退職金が定められている場合、一方当事者(通常は妻)から、他方当事者に2分の1の財産分与を認められることになります。
そもそも、退職金のない会社は結構ありますし、金一封程度の会社もあります。
関係解説本をみると、定年退職まであと数年(5、6年)と記載されていますが、現実には、公務員や上場企業の場合、調停成立や判決の時点でに10年未満程度(通常は50歳くらい)になれば、裁判官は分割を認めるようです。
なお、調停、訴訟(家庭裁判所・高等裁判所)と続けていけば、3年、4年くらいはあっという間に経過します。
45歳くらいなら、少し待ってから、調停を申し立てるのが得策です。
45歳くらいなら、少し待ってから、調停を申し立てるのが得策です。
退職金の財産分与は、退職金支給時か、離婚時かという問題がありますが、最高裁判所の判例がみあたらないため、下級審の判決は分かれています。
1つは、退職して退職金が支給されたとき、退職金から支払えとする判決(被告が○○から退職手当を受給したときは、退職手当から公租公課を控除した残額の○分の○を支払え)とする判決、もう1つは、離婚時に支払えとする判決です。
なお、分与されるべき退職金の計算にあたり、いつからいつまでの期間が考慮されるのかが問題となります。
例えば、22歳で大学卒業とともに就職し、28歳で結婚し、50歳で別居し、60歳で定年退職したとします。
就職から結婚までと、別居から定年までは算入されないとされています。
ということですから、38年働いたとして、結婚までの6年、別居からの10年は計算されず、(38-6-10)/38として計算されます(厳密には異なる判例もあります)。
その2分の1というのが普通です。
なお、退職金には所得税(分離課税)と住民税がかかります。厳密には、公租公課(税金)を控除した金額ということですが、離婚時に支払えとする判決のなかには、税金を計算に入れない判例もあります。