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離婚

妊娠中絶禁止の骨抜き

結構、外国では「人工妊娠中絶の可否」が選挙戦の争点になったりすることがあります。


 日本でも、刑法214条には「医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、3月以上5年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、6月以上7年以下の懲役に処する」という規定がありますから、建前は禁止です。

 しかし、一方では母体保護法(旧・優生護法)14条1項に「妊娠の継続又は分娩が身体的又は『経済的理由』により母体の健康を著しく害するおそれのある」場合は、人工妊娠中絶は合法です。


 また、「経済的理由」には、分娩・出産時だけではなく、子供を一人前に育てていくだけの「経済力がない」場合も含まれると解されています。

 破産裁判所でもないのに、医師が、一々資産・負債などをチェックするはずはありませんから、つまり、女性が自己申告で「経済的な理由で育てていけません」と言えば(書けば)、医師がする人工妊娠中絶は合法です。


 戦後まもなく、人工妊娠中絶が実質合法であり、ちゃんとした医師に治療してもらえるということで、アメリカ人女性に、日本への「abortion tour」が流行したそうです。
 アメリカ人女性が、1人で日本に旅行したら「abortion tour」かと聞かれることもあったそうです。


 現在のツアー・サイトでも「Where is an Abortion Clinic in Japan? 」という質問に「Just look for any gynecologist, clinic or hospital, but make sure it's a yuu-sei-hogo-hou-shitei-i(優生保護法指定医), that is supposed to practice reliable and legal operations. But I'm not sure if it usually costs as much as 150000 yen, because that's nearly half the cost of the fee you need when you're hospitalised for delivery. 」という答えが出ていますから、現在でもあるのでしょうね。


 具体的病院名、つまり、英語のできる「優生保護法指定医」はどこかということも記載されています。

 宗教観にもよるのでしょうが、私などは、子供を産む産まないは女性の自由、たとえ夫でも、男性の関与すべきことではないと思っています。


 もっとも、人工妊娠中絶は危険を伴いますし、また、ほしいときに子が生まれなくなることがありますから、避妊により妊娠しないことがベストでしょう。

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