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金融・経済 バックナンバー

預金者保護法

平成18年2月10日に「預金者保護法」が施行されています。

  「全銀協の預金者保護の仕組み」 をご覧ください。

 「預金者保護法」というのは、では、偽造・盗難キャッシュカードによるATMからの不正引き出しについて、原則として金融機関側が被害を補償するように義務付けています。 これまでは、民法に基づく約款などを盾に、銀行側はほとんど補償に応じず、金融庁も法制化には消極的でしたが、さすがに社会問題化するほどの被害状況に、抗えなかったようです。

 カードの偽造・盗難にかかわらず、預金者側に過失がなければ、金融機関は被害の100%(全額)を補償してくれます。
 ただし、預金者に「重過失」があった場合は、補償されません。「重過失以外の過失」の場合は、偽造カードによる被害は100%補償、盗難カードによる被害は75%補償となっています。

 さて「重過失」とは何でしょう。「重過失以外の過失」(軽過失)とは何でしょう。

 「重過失」になるケースを列挙しておきます。
 ただし、判例の蓄積がないので、あくまでも「目安」です。
 1 預金者が暗証番号をキャッシュカード上に書き記していた場合
 2 預金者が他人に暗証番号を知らせた場合(家族間ではありがちです)
 3 預金者が他人にキャッシュカードを渡した場合(これも、家族間ではありがちです)
 4 上記の場合と同程度の著しい注意義務違反があると認められる場合

 ただし、病気の方が介護ヘルパー等に対して暗証番号を知らせたうえでキャッシュカードを渡した場合など、やむを得ない事情がある場合は、重過失にあたらないとされています。

 「重過失以外の過失」になるケース
 1 金融機関から類推されやすい暗証番号の変更要請があったにもかかわらず、生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先の電話番号、自動車などのナンバーをキャッシュカードの暗証番号にし、かつ、暗証番号を推測させる書類等(免許証、健康保険証、パスポートなど)とともに携行・保管していた場合
 2 暗証番号を容易に第三者が認知できるような形でメモなどに書き記し、かつ、キャッシュカードとともに携行・保管していた場合
 3 「暗証番号の管理」および「キャッシュカードの管理」両方に不注意があり、これらの要因が相まって被害が発生したと認められる場合

 3つ目の例は、「暗証番号の管理」がなっておらず(生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先の電話番号、自動車などのナンバーを利用、暗証番号をロッカー・貴重品ボックス・携帯電話など金融機関との取引以外で使用する暗証番号としても使用している。ただし、免許証、健康保険証、パスポートなど)とともに携行・保管していない)、かつ「キャッシュカードの管理」もなっていない(キャッシュカードを入れた財布などを自動車内などの他人の目につきやすい場所に放置など。自動車などのナンバーを容易に推測できませんよね)場合は、さすがに銀行も面倒をみきれません…ということです。


 なお、原則「金融機関に被害が通知された日から遡って30日以内の被害額について補償を行う」ことが定めていますから、まめに記帳されることをお勧めします。
ただ、被害が通知された日が遅れていても、偽造カードが使われたときは、海外出張中で気付くはずはないなど、やむを得ない場合、救済されることがありますから、当該銀行で資料などとともに、交渉してみてください。

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