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外国事情 バックナンバー1/2

在外公館の休日

平成22年12月23日、イタリアのローマにある、スイス大使館とチリ大使館で、小包爆弾が相次いで爆発、それぞれ1人が負傷したという事件がありました。

 無政府主義者か過激な環境保護主義者による連続テロとして捜査が開始されているとのことです。

 ある意味で、無差別に近いテロ、あるいは、狂信的な環境保護団体であれば、日本がターゲットになってもおかしくありません。

 「日本大使館は天皇誕生日で休館しており職員は出勤していない」ということで、日本大使館は無事だったという報道がなされています。

 日本の在外公館(大使館、領事館など)の休日はどうなっているのでしょうか。

 例えば、イタリアの場合、クリスマス、イースター、聖母被昇天祭(カトリックの国です)など、キリスト教関係の祝日が多く、共和国成立の日や、第2次世界大戦での「解放記念日」など独自の祝日、元旦やメイデイなど、一般的な祝日があります。

 日本の祝日はご存じのとおりです。
 あまり宗教的な祝日はありません。
 元旦は世界ほぼ共通ですが、メイデイが平日というのも珍しいです。
 神話上の建国記念日(独立記念日がないということは、植民地になったことのない平和な国であることですね)、今上、明治、昭和各天皇陛下の誕生日が日本のみ、あとは、さほど意味のない「休むための日」が多くあります。

 ということで、日本とイタリアの祝日で共通なのは、元旦くらいです。

 日本の在外公館の休日は「土曜日曜」の他、「日本の祝日すべて」+「当該国の祝日すべて」です。
 理屈としては、「土曜日曜」「日本の祝日すべて」は、本国である日本との連絡が不可、「当該国の祝日すべて」は、当該国の関係諸官庁との連絡が不可、よって、在外公館は休日という理屈です。

 パスポート盗難などの緊急時に、日本の在外公館が勤務日なのか休日なのかは、結構大きな意味を持ちます。

 パスポートの盗難の場合、再発行という手続きは結構かかります。

 旅行や出張など短期滞在の場合は「帰国のための渡航書」をもらって帰国することが多いのですが、在外公館が休みでは手続きはとれません。

 帰りの航空券が、変更不可(fix)であり、帰国日が迫っているような場合、在外公館が休みというのは致命的なことがあります。
 本来の予定の飛行機に搭乗できれば問題ありません。
 しかし、本来の予定の飛行機の出発までに「帰国のための渡航書」が取得できない場合、別途航空券を手配しなければなりません。
 ノーマルの航空券は、エコノミーでも結構高額ですし、予約が取れるという保障もありません。

 在外公館勤務の人はいいでしょうが、利用する側にたてば、休日が多いことは「恨めしい」でしょうね。
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