トリビア バックナンバー 2/2
ドべネックの桶
リービッヒの最小律とは、植物の成長速度や収穫量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないものにのみ影響されるとする説のことです。
私が中学生のころ、栄養素は「窒素・リン酸・カリ」と習いました。
また、「ドベネックの桶」は、桶の1枚1枚の板を「生育因子」(窒素、リン酸、カリウム)とし、桶の中の水をその収穫量とすると、その水=収穫量は、1番短い板によって決まってしまいます。他の板が、いくら高くても役にたちません。
つまり、他のがどれだけ長くとも、一番短い部分から水は溢れ出し、結果「水かさ」は一番短い板の高さまでとなります。
栄養素をバランスよく満たすことによって作物は健全に育ち、栄養素を充分具備した作物になります。
ちなみに、リービッヒは、植物は窒素・リン酸・カリウムの3要素が必須であるとし、成長の度合いは3要素の中でもっとも与えられる量の少ない養分によってのみ影響され、その他2要素がいくら多くても成長への影響はないとの説を唱えました。
ただ、後日の研究の結果、上記養分以外の養分や、水・日光・大気などの条件が、成長の要因として追加されています。
さらに、現在では、それぞれの要素・要因が互いに補い合う場合があり、最小律は必ずしも定まるものではないとの修正もなされています。
人間の集団でも、互いに補い合えるところはあるのですが、補い合えない部分もあります。
補い合えない要素においては、「リービッヒの最小律」か働きますから「足手まとい」を、プロジェクトから、最初から入れない、あるいは、「足手まとい」とわかった時点で切捨てる=やめさせるのが、効果的な方法です。
あるいは、厳密にいえば、補いうる仕事であっても、当初の役割分担を「しっかり」決めてしまうと、一番仕事のできない人が足を引っ張ってしまい、いつまでたっても、仕事が終わらないということがありえます。
また、他の人がちゃんと仕事をしても、一人が大ミスをすれば、その仕事は不成功に終わります。
その際にも、上記の法則があてはまります。