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トリビア バックナンバー 2/2

フーコー振子

 「フーコー振子」(フーコーの振子)をご存じでしょうか

 フランスの物理学者ジャン・ベルナール・レオン・フーコーは、当時、地球の自転は常識となりつつあったのですが、時点を、物理的に証明する方法は発見されていませんでした。

 フーコーは、非常に長いワイヤーに、おもりをつけて吊るして、ゆっくり振動させて、振子を振れさせると、赤道以外の場所では、地球の自転によって振り子の振動方向がみかけ上少しずつ回転するようにずれていきます。
 北極・南極を考えればわかりやすいのですが、北半球では右回りに、南半球では左回りに回っていきます。
 振子は、そのまま振られ続けるのに対し、地球はゆっくり(といっても、非常に早いのですが)と自転するからです。

 パンテオンにて公開実験が行われ際に、用いた振り子は、パンテオンの大ドームから全長67mのワイヤーで28kgのおもりを吊るしたものだったようです。
 フーコーは、1851年、自宅での予備実験ののち、バリにあるパンテオンの大ドームから全長67mのワイヤーで28kgのおもりを吊るして、地球が自転していることを証明しました。

 フーコーの振り子が1周するのに必要な時間は、次の式で表されるそうです。
 1周に必要な時間 =1 日/sin θ (θは振り子の場所の緯度)
 北極点・南極点なら1日、1回転ですね。
 北極点・南極点から離れるほど多く回転します。

 1981年(昭和61年)、ポートアイランドで、3月20日から9月15日まで開催された博覧会で「ポートピア’81」で実物が見られました。悠長に見ている人は少なく、よそをみてかえって見ると、動いているんですよね。


 なお、ジャイロスコープ (gyroscope)というものがあります。高速回転する「コマ」の軸の方向が一定である事を応用し、相対角度を検出するために、面に接触させず、面とのて相対角度を検出するために、コマ軸の方向が一定である事を応用するのが単純な構造です。

 ある一定の歳の人なら、円盤が高速で回転運動を行っている間は、外部から力が加わらないかぎり回転軸の向きが常に一定不変に保たれるという原理を応用した「地球ゴマ」で遊んだ人も多いのではないかと思います。
 地球も地軸を23.4度傾けて回転する一種のジャイロとみなすことができます。
 「地球ゴマは小さな地球です」とい言えるかも知れません。

 もっとも、「オロナミンCは小さな巨人です」というCMに対し、それなら「巨人は大きなオロナミンCか」というつっこみが来るように、それなら、「地球は大きな地球ゴマか」という鋭いつっこみが来そうです。

 もちろん、古典的オートジャイロは、機械的要因による誤差が多いので、実用化するには、コマ軸をバネで支持しバネの応力から検出できる角速度を経過時間で積分して角度を算出する方法が一般的となっています。

 今では、船や航空機やロケットの自動航法に使用されていますし、小さいところでは、カーナビゲーションシステムや自動運転システム、ロボット、デジタルカメラなどにも使用されています。

 ちなみに、昭和58年(1983年)9月1日に、大韓航空のボーイング747-200が、慣性航法装置 (INS) への入力ミスが原因でソビエト連邦の領空を侵犯したために、ソ連防空軍の戦闘機により撃墜された事件がありました。
 当時は、ドイツ留学中でしたが、ドイツでも大きくニュースとなっていました。日本人の乗客の数が何人という報道はなかった記憶です。当たり前ですが・・
 スパイ説もあったようですが、今では、機長のミス説が一般的となっています。

 つまり、ボーイング747-200型機の操縦席に慣性航法装置があり、通過地点を順に慣性航法装置 (INS) に打込むことで設定するのですが、慣性航法装置の起動ミス、慣性航法装置の経度のみの入力ミス、出発地の座標の誤入力などの説があります。

 しかし、どう考えても、そんなに大きくコースを外れるなら、機長や副機長が「気付けよ」という気がして仕方がありません。

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