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司法 バックナンバー 3/3

裁判官の不祥事と自殺

ストーカー行為により、逮捕起訴された宇都宮地裁の下山芳晴判事(55。現在、拘置所に勾留中)について、東京高裁の竹崎博允長官は13日、「弾劾による罷免事由がある」と最高裁に報告し、最高裁は、国会の裁判官訴追委員会への訴追請求しました。

 当該判事も、平成20年6月30日には160万円(公表されていないので推定)のボーナスなどが支給された思います。来月から罷免されるまで月額84万円の報酬が入ります。

 なお、裁判官の不祥事にはいろいろあります。
  「裁判官弾劾裁判所のホームページ」 を見てください。

 なお、この他に、昭和55年、小倉簡裁判事が女性被告を呼び出し性的関係を持ったという事件がありました。私は、大阪地方裁判所に昭和55年に任官していますから、鮮明に記憶が残っています。

 この件は、裁判官弾劾裁判にかかる前に、弾劾裁判がされないよう首長選に立候補し弾劾裁判にかかりませんでした。もともと、簡易裁判所判事ですから、法曹資格はない(弁護士になれない)のですが、退職金・年金は、まるまる手にしました。代償は、公務員職権濫用罪で懲役1年の実刑判決でした。
 これを機に、裁判官は、首長選などに立候補しても「地位を失わず」「弾劾裁判所にわり審理が行われるように」公職選挙法が改められました。いまなら、間違いなく罷免です。

 また、平成14年、神戸地裁所長が電車内で女性に痴漢行為をしたとして書類送検。神戸地検は起訴猶予とし、依願退官したことがあります。

 一見すると、刑事系の裁判官か、民事系の裁判官かはわかりません。
 裁判官は、ある程度たつと、刑事系・民事系に分かれます。もちろん1人支部などではすべてやりますが・・
 ちなみに、私は、民事系でした。ほとんど刑事はやっていません。

 ただ、鬼頭判事補のあたりからは、大体実名を含めてわかります。
 児童買春で罷免になった東京高等裁判所判事、痴漢で依願退官した神戸地裁所長、今回の宇都宮地方裁判所判事と、女性がらみの不祥事は、圧倒的に刑事担当者が多いです。

 おもしろいもので、どこへ行っても、刑事系の裁判官は、よく酒を飲み、民事系の裁判官は、余り酒を飲みません。もちろん、個人差はあります。

 民事系の裁判官は、刑事系の裁判官を「ひま」だから、酒を飲む時間があるといい、刑事系の裁判官は、仕事の内容上、酒でも飲まないとやっていられないと言い訳します。
 民事系、刑事系いずれにせよ、ストレスの多い職業であることにかわりはありません。

 女性がらみの不祥事は、刑事担系裁判官が多いのに比べ、民事系裁判官には、圧倒的に自殺者が多いです。
 一部を除き、あまりセンセーショナルに報道されませんが、仕事上の悩みで「うつ」状態になり、自殺するパターンのようです。
 そんなに嫌なら「裁判官を退官して弁護士になったら(不祥事でもない限り、当然弁護士になれます)、判決を書くという重圧がなくなるのに」と思うのですが、自殺する人には、それだけ考える余裕はないんでしょうね。前だけで横は見えない

 ちなみに、知っている弁護士にも、結構「うつ」による自殺者がいますが、報道の価値もないのでしょうね。
 
 といいますが、弁護士に「そううつ」傾向のある弁護士さん多いですよ。
 大きなお金が入れば、どの弁護士も「そう状態」になり、勝つと思っていた判決に負ければ「うつ状態」になるのは、まだ正常の範囲内。
 さしたる原因もないのに、「そう」になったり「うつ」になったり・・これが問題です。

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