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2012年バックナンバー

使用済み核燃料

平成24年12月3日、東京電力は、福島第一原子力発電4号機の使用済み核燃料の貯蔵プールからの本格的な燃料取出し作業を、平成25年11月中旬から開始すると発表しました。
 また、取出し完了時期についても、平成26年末を目指すとしています
 福島第一原子力発電4号機の使用済み核燃料貯蔵プールには現在、未使用の燃料も含めて1533体の核燃料が入っているそうです。

 福島第一原子力発電4号機は、地震発生時には、検査のため停止中でした。
にもかかわらず、平成24年3月15日6時ごろ、4号機で水素爆発が起き、火災も発生しました。

 福島第一原子力発電4号機、つまり、使用済核燃料プールでの事故が深刻なのは、1~3号機の場合のように問題となる燃料棒が圧力容器、さらには格納容器と2重に防御されているという状態ではなく、使用済核燃料プールは、一番外側の覆いである建屋だけに守られているといってもよい状態で、建屋の屋根付近が損傷しています。
使用済み核燃料貯蔵プールに、使用済み、未使用の燃料も含めて1533体という多くの核燃料が入っているということも問題になります。

 使用済核燃料は、それだけで危険ということになります。


 平成24年9月13日、福井県西川知事が、経済産業副大臣と文部科学政務官に対し、県内の原子力発電を廃炉にする場合は使用済み核燃料を電力消費地に搬出するよう要望したそうです。

 理屈がよくわかりません。
 使用済核燃料は、それだけで危険です。
 保管は、使用済核燃料を扱いなれた原子力発電所内でするのが、最良です。
 もっとも、使用済み核燃料を搬出するには、搬入先の市町村と府県、隣接市町村の同意を得るということが前提とするということなら、それは、OKでしょう。
 どの自治体も受入れないでしょうから、現状維持です。

 なお、使用済み燃料は現在、原子力発電の一時貯蔵プールに置かれています。
 再処理の見込みは全く立っていません。
 関西電力の場合、原子力発電11基のプールの燃料貯蔵容量は9703体(4420トン)で、既に7割程度が埋まっいます。
 今後も関西電力だけで処理すると約7年でプールはいっぱいになる計算で、原子力初では、再稼働が実現しても、使用済み燃料の処理はできず、その時点で停止するしかないでしょう。
 現在の原子力発電所以外に、使用済み燃料の保管場所は事実上ないわけですから、保管場所が満杯になり、そこで終了です。
 本来なら、福井県は、福井県民のことを考えれば、これ以上、使用済核燃料を増やさないためにも、原子力発電の再稼働を求めず、廃炉にすることを求めるべきでしょう。


  福井県知事が、仮に弁護士なら、裁判官から「あの弁護士の理屈は理解不能」として、相手にされなくなるでしょう。

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