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2012年バックナンバー

マイナス金利

スイスの金融大手クレディ・スイスは、平成は24年12月10日から、銀行間の取引に利用されるスイスフラン建ての預金にマイナス金利を適用すると発表しました。

 クレディ・スイスは、スイフト(SWIFT。Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication。「国際銀行間金融通信協会」)を通じてマイナス金利の導入を顧客に通知し、また、同時に現金の残高を低めに抑えるよう推奨しています。

 対象は、口座に一定額以上のスイスフランを持つ金融機関で、一般の個人顧客に影響はありません。
 また、対象とする預金の規模や、実際に預金から差し引く金利の幅については、各金融機関に通知をしているのみで、公表されていません。

 ユーロへの不安からスイスフランが買われる一方、スイス国立銀行(中央銀行)の低金利政策の影響で運用益を得られないためといわれています。

 大手金融機関が、自国通貨でマイナス金利を導入するのは珍しいですね。

 ただ、アメリカでは、信託銀行であるステート・ストリートとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンが、スイスフランとデンマーククローネ預金にマイナス金利を導入し、カナダでは、ロイヤル・バンク・オブ・カナダも、スイスフランとデンマーククローネ預金で一部顧客向けに同様の措置をとっているそうです。

 平成24年12月4日、スイス・フランがユーロに対して約3カ月ぶりの安値まで落ち込んみました。
 クレディ・スイスが、顧客のスイスフラン建て現金決済口座に課すマイナス金利の幅が最大1%との関係者の発言が伝わったためのようです。
 銀行に預けるのに、マイナス金利を適用されたのでは、その通貨をもとうとは思いませんね。

 スイス国立銀行は、平成23年9月以降、スイスフランの対ユーロ相場に、1ユーロ=1.2フランの上限を設定し、無制限介入をして、スイスフラン高の抑制を試みています。

 スイスフランは平成23年8月9日に対ユーロで過去最高の1.008スイスフランとなったためです。
 私は、ちょうど、その時スイスにいたのですが、目が「点」になりました。


 スイスは、為替介入をしても国際的批判は知れてますし、韓国などは平然と通貨介入をしてもニュースにすらならないくらいですが、日本が、日本円の為替介入をしようとすると、大バッシングを受けます。
 他の先進国が、協調介入してくれたのは、東日本大震災の直後くらいのものです。

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