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2012年バックナンバー

ドイツの領土

一般に、戦争で負けると領土をとられます。
 一般に、戦争で失った領土は、戦争で取返さないと戻ってきません。

 日本が、第2次世界大戦により、アメリカに施政権を奪われた沖縄が、奄美諸島に続いて返還されています。
 アメリカは、沖縄に独立国をつくる予定だったそうですが、沖縄県民の日本への帰属希望が強かったため日本に返還されたといわれています。
 あまり、歴史的には例がないそうで「戦争でとられた」領土は戻ってこないのが通常です。

 第1次世界大戦前のドイツ帝国の領土は、以下のとおりです。
 ドイツが失った領土の行先が国旗に書かれています。

 北東部の国旗はリトアニア、隣の国旗はダンツィヒ(初めて見たという人も多いでしょう)、東はポーランドとチェコ(シュレージエン)、北はデンマーク(北シュレースヴィヒ)、西は北からベルギー(ベルギーの公用語にドイツ語が入っています)、ザール (国際連盟管理地域)、フランス(エルザス・ロートリンゲン。アルザス・ロレーヌ)です。
 第一次世界大戦でドイツが失ったのが有名なのは、エルザス・ロートリンゲンだけですが、チェコに割譲したシュレージエンは、第二次世界大戦の引金ともなりました。

 第二次世界大戦前のドイツ帝国の領土は、以下のとおりです。
 ドイツが失った領土の行先が国旗に書かれているとともに、ドイツの分割占領国が記載されています。

 東部の国旗はソ連とポーランドです。
 また、ポーランドに相当とられています。
 西の見慣れない土地はザールランドで、住民投票でドイツにもどっています。

 ドイツは、米国、英国、フランス、ソ連に分割占領され、米国、英国、フランス占領地域が西ドイツ、ソ連占領地域が東ドイツになりました。
 これは、平成2年にドイツ統一が実現すると、同年11月のドイツ・ポーランド国境条約でオーデル・ナイセ線がポーランドと統一ドイツとの間の正式な国境であると確認されて領土問題は解決しました。


 ヨーロッパから見ると、日本が、沖縄県の尖閣諸島や、島根県の竹島で争っているのが不思議に見えるようです。
 領海や、接続海域、EEZがありますから、決して小さな島だけを争っているのではありません。

島根県の竹島はともかく、沖縄県の尖閣諸島は、戦略的に見て重要な地域です。

 なお、ドイツが、第二次世界大戦で、ポーランドに割譲した土地は、領土としては、解決済みです。

 ただ、ドイツ人の残した土地以外の財産まで、ポーランドが奪ったまま未返還ですから、ドイツとポーランドの仲はよくありません。

 ドイツは、ポーランドに謝罪などしていません。
 ドイツが謝罪しているのは戦争ではなく、ユダヤ人の虐殺のみです。

 韓国や中国が「ドイツにならって戦争や植民地化について謝罪せよ」というのは筋違いで、ドイツは戦争や植民地化について謝罪しているわけではありませんし、英国、フランス、アメリカなど、戦争や植民地化について謝罪しているわけでもありません。

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