2012年バックナンバー
論文のねつ造
平成24年10月11日、読売新聞は、森口がiPS細胞を使った世界初の臨床応用として心筋移植手術を実施したことが10日分かった、と朝刊一面で大きく報じました。
それによれば、自称「ハーバード大学客員講師」の森口氏が、平成24年2月に虚血性心筋症の男性患者(34歳)に対し、男性の肝臓から取り出した細胞から独自の手法でiPS細胞を作成、心筋細胞に変化、増殖させたたうえ、この心筋細胞を心臓バイパス手術を受けた患者の心臓に注入した。
約10日後から心筋機能は平常になり、報道時点では平常の生活を送っているというものでした。
あっさり「嘘」とばれました。
新聞社が、裏付けをとれば、簡単にわかる嘘でしたね。
平成24年10月13日、この件を報道した読売新聞は「同氏の説明は虚偽で、それに基づいた一連の記事は誤報」である旨のおわび記事を掲載しました。
森口氏は「移植が実施されたのは1例のみで、残りの5例は間違いだった。つい勢いでウソをついてしまった」と述べ、従来の主張は大半が虚偽であったことを認めました。
ただ、往生際が悪く「1人の患者には、別の病院で、去年6月に本当に細胞移植を実施した」と強調し、世界で初めてiPS細胞のヒトへの応用を行ったという主張は変えませんでしたが、どこの病院で誰が手術を行ったのかについては「共同研究者から言うなと言われている」とだけ答え、具体的な証拠は一切示れていません。
まあ、単なる「ほら吹き」のようです。
東京大学から医学部付属病院特任研究員を懲戒解雇され、国際会議の出張費の返還を求められるようですね。
捏造した結果や改竄を元に公的な助成金などを申請て受領してした場合には、補助金適正化法違反に該当し、研究者本人や所属する大学は研究費の不正使用として返還・罰則の対象となりますし、また国の補助金以外の場合には詐欺罪に問われる可能性があります。
お隣の国にも、似たような事件がありました。
黄禹錫という韓国の生物学者がいます。
ただ、こちらは「まとも」な学者です。それだけに、影響が大きかったんですね。
かつて、世界レベルのクローン研究者とされ、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の研究を世界に先駆け成功させたと報じられました。
ただ、平成17年末に発覚した、ES細胞(ヒト胚性幹細)論文の捏造、研究費等横領、卵子提供における倫理問題により失脚しました。
山中教授が、iPS細胞の生成に成功するまでの間、再生医療分野の研究の世界的な停滞を引き起こした元凶とされています。
ヒトクローン胚作製の成功、ヒトES細胞の作製の成功だけではなく、BSEに強いとされるクローン牛、これまで難しいとされてきた犬のクローンなどを成功させたと発表していましたが、調査により犬のクローン以外は全て捏造であると報告されました。
平成17年の論文に添付された培養細胞の写真が、2個を11個に水増しした虚偽のものでした。
平成21年10月26日、ソウル地方裁判所が、懲役4年の求刑に対し、懲役2年・執行猶予3年の有罪判決を下しました。
韓国初のノーベル賞候補(平和賞を除く)という冷静さに欠ける世論と理性を欠いた韓国メディアのありかた、さらには世間の誤解を追い風にノーベル賞受賞振興教育制度をもくろんだ政府の姿勢を国内外に示して事件は終息しました。
韓国や中国のマスメディアが、日本人が自然科学系のノーベル賞を受賞する度に「日本人は○○人も受賞したのに、なぜ我が国は一人も受賞できないのか・・・」といった様な社説や論評を載せますね。
中国は、台湾に物理学賞受賞者がいますし、中国系のアメリカ人なら数人います。
中国は、漢字をつくった独創性のある民族の末裔ですから、いずれ受賞者は増えるでしょう。韓国については、ノーコメントです。
ちなみに、メンデルの法則で有名なメンデル(オーストリア人)です。学者であるとともに修道院司祭です。
同一染色体の遺伝子にないこと(別の染色体上にあること)が、メンデルの法則(分離の法則)が前提となりますが、メンデルの研究結果は、ものの見事に、別の染色体上にある遺伝子のデータばかりです。
同一染色体の遺伝子のデータは「不都合な事実」として、廃棄されたと考えられています。
また、論文中の「さやの色で黄色:緑=6022:2001という実験データが得られたことになっています。理論値1:3に近すぎるということですね。
擁護論者の中には、メンデルが修道院司祭であったため、修道僧が助手であったが、助手の修道僧が、都合の悪いデータを廃棄して、司祭であるメンデルに報告したとするものもあります。
メンデルの法則の、花の色が違ったり、えんどう豆に、つやがあったりしわがあったりというのはどうでもいいのですが、法則を知って入れば、ABO方式の血液型のメカニズムがわかりますし、色覚障害が男性に圧倒的に多いメカニズムもわかります。