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2012年バックナンバー

中国の八つ当たり

平成22年10月、中国の投獄中の民主活動家である劉暁波氏にノーベル平和賞受賞者が授与されました。

 他のノーベル賞はスウェーデンなのですが、平和賞のみが、ノルウェー・ノーベル委員会により決定されます。

 中国外交部は、受賞発表直後に「ノーベル平和賞を冒涜するもので、中国とノルウェーの関係に損害をもたらす」と批判しました。
 中国政府は在北京のノルウェー特命全権大使に対して劉氏のノーベル平和賞受賞に強く抗議を行ないました。

 ノルウェーのノーベル賞委員会は政府から独立した組織なのですが、中国は、区別がつかないようです。

 中国政府は、平成22年10月、両国漁業長官会談、農業分野高位級会談などをキャンセルし、両国間自由貿易協定(FTA)議論も中断しました。
 北京で平成22年11月開催催されるノルウェー人歌手のミュージカルを中止に追込みました。
 ノルウェー産サケの自国への輸入を新規制の発動で大幅に削減しました。
 その結果、平成23年のノルウェーの対中サケ輸出は前年分の60%も減ってしまいました。

 平成24年6月13日、ノルウェーのボンデビック前首相が、南京市で開かれる宗教関係の会議に出席するため、中国当局にビザを申請したところ拒否されました。
 中国外務省の参事官は、記者会見で、ノルウェーのボンデビック前首相が中国に入国ビザの発給を拒否されたことに関して「両国間に生じている困難はノルウェー側の誤った行為によって引き起こされたものだ」と述べ、両国関係の修復のため努力するようノルウェー側に要求しました。

 もとより、ノルウェーは中国との関係悪化など案じていません。
 ノルウェーの高い生活水準は、中国を含む貿易ではなく、沿岸部で産出される天然ガスのおかげです。
 ノルウェー・中国の自由貿易協定の交渉中だが、協定で得るメリットは中国のほうが大きいはずです。


 日本も、沖縄県の尖閣諸島の件で、中国は、いろいろしているようですが、領海侵犯など放っておけないところはともかく、貿易や文化交流など放っておけるところは、中国の好きにさせるしかないでしょう。
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