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2012年バックナンバー

ユーレイルパス

 前回、ヨーロッパの個人の鉄道旅行の定番であった「ユーレイルパス」が高価となり、逆に運賃・料金が、早期割引やプロモーション割引などで安くなり、「元」がとりにくくなったというコラムを書きました。

 その他、「ユーレイルパス」は、窓口に並ばずに、自由に列車に乗降車できるというメリットがありました。

 その昔、予約の必要な列車はまれでした。

 ヨーロッパの列車は、普通列車を除いて(予約がそもそもできません)予約は可能ですが、予約されていない限り、空いた座席に自由に座れるというシステムです。よほどの人気列車以外は席は空いています。

 だいぶん、様相が変わってきています。

 ただ、寝台車は、当然必要でした。
 また、スイスの氷河急行のような観光列車(ユーレイルパスでは割引にしかなりませんが)は予約が必要でした。

 一般の車両で予約が必要となったのは、フランスのTGVです。
 日本の新幹線と違って、自由席はありません。
 本当か建前かは知りませんが、一定の人数以上乗ると安全が確保できないためだそうです。
 ということで、TGVは、予約が必須、「チケット売り場に並ばずに」「車両にそのまま乗込める」ことはありません。
 窓口でユーレイルパスを提示し、3ユーロ(300円程度。2等。1等は6ユーロ)の追加代金を支払い指定をうけることになります。
 指定なしでは、降ろされることはありませんが、何千円単位の「手数料」をとられるそうです。

 そのうち、予約必要という高速電車が増えてきました。
 TGVがベルギー、スイスに乗入れるようになって、TGV・タリス、TGV・リリアとして指定が必要になりました。
 イタリアのユーロスター・イタリアも指定が必要になりました。
 スペインのAVEも指定が必要になりました。
 オランダの・ハイスピード(Hispeed)も指定が必要になりました。

 日本人観光客が乗る列車は、基本的に大都市間ですから、フランス、ベルギー、オランダ、イタリア、スペインの高速列車は、原則予約が必要となります。
 原則として、高速列車に予約が不要なのは、ドイツ、スイス、オーストリアくらいとなります。

 また「予約」がくせものです。
 国内列車はともかく、国際列車の予約料金は、ユーレイルパスの場合、本来の予約料金ではなく、円換算で何千円かとられます。

 また、ユーレイルパス用の座席が限られているのです。

 TGV・タリス、TGV・リリアは、朝早くか夜遅くでないと、ユーレイルパス用の座席が売切れで、「乗りたければ正規料金で切符を購入してください」となります。

 フランス国内のTGVも「いい」時間のTGVはユーレイルパス用の座席が売切れとなります。
 モンサンミッシェルにはパリからレンヌ駅にいって連絡バスに乗るのですが、連絡バスが1日4本、連絡バスとちょうどいい時間のTGVは売切れ、ロワールの古城にはパリからトゥール駅にいってツアーバスに乗りますが、ツアーバスの出発と終了とちょうどいい時間のTGVは売切れとなり、行きは1時間早い列車、帰りは1時間遅い列車となってしまいます。
 空席があれば、本来、フランスパス(特定の国別パス)なら、当該国の「お得意さま」で12ユーロ(1200円)追加すれば売ってくれますが、ユーレイルパス(23国有効)では、「乗りたければ正規料金で切符を購入してください」となります。
 パリの駅はルールを知っていますが、現地の駅員さんなら、だまって売ってくれます。駅員の知識不足か、十分な英語がしゃべれないため、「面倒な客」は、さっさと処理してしまえということかも知れません。
 パリで買わなくても目的地で購入すればいいことになります。

 なお、クレジットカード利用の券売機が、結構便利になっています。
 現地の言葉の他、英語なら、たいていどの機械でも使えます。
 クレジットカードが「飲込まれて出ない場合」が怖いですが、そこは考えられていて、クレジットカードの一部のみ差込むようになっています。
 貧乏性の私は、大きな駅でない限り、右手でカードを「のみこまれないように」押さえて、左手で操作をすることもあります。

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