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2012年バックナンバー

投機資金と飢餓

穀物や原油など国際商品市況が高騰しています。

 米中西部を襲った熱波と干魃などの自然現象により大豆やトウモロコシの先物相場が急騰するというのは、ある意味合理的です。

 しかし、原油の先物相場が高騰する理由はありません。特にアラビア半島情勢が不穏になったり、原油需要が増加したとの事情はありません。

 「金余り」による「投機」だそうです。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、信用不安緩和のためにドル資金を市場に大量供給しました。
量的緩和第1弾(QE1、平成20年11月~平成22年6月)、第2弾(QE2、平成22年11月~平成23年6月)と、ドル札を大量発行しました。
 今度は、量的緩和第3弾(QE3)を発動しそうです。

 余りかえったドルは、土地や株式や債券どにまらず、値上がりが見込める原油、金、穀物に投入するようになりました。

 商品投機には、世界の商品市場規模(商品資産総額)は、平成22年年末で平成20年年比2倍以上の3800億ドルに上っているそうです。

 優良な投資先に飢えた投機資金が、大豆やトウモロコシ、原油の先物相場に向かっています。

 投機資金により、食料品やエネルギー価格の高騰を促し、不況に苦しむ世界の人々を苦しめ留というのは、ある意味「自由主義・資本主義のコスト」といえるかもしれません。

 しかし、発展途上国、後発開発途上国の飢えに苦しんでいる人に、追打ちをかけるわけで、辞意兄よっては、餓死者を増加させるわけですから「罪深い」といえば「罪深い」ですね。
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