2012年バックナンバー
予備試験と法科大学院
「平成24年司法試験受験状況(予備試験合格者)」をご覧ください。
「受験者 85人
短答合格者 84人
最終合格者 58人」
となっています。
合格率68%で、法科大学院卒業者の合格率25%をはるかに上回ります。
「予備試験制度の内容については、同制度の趣旨から、法律にも規定されているとおり、法科大学院課程修了者と同等の学識及び応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養が備わっているかを適切に審査できる試験でなければならない」ということが前提となる試験です。
「日本弁護士連合会・平成24年司法試験最終合格発表に関する会長談話」をご覧ください。
「 社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための途を確保すべきであるとの趣旨から、法科大学院修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的として設けられたものである。
予備試験を経て今回最終合格した者の年齢、学歴、経歴などを踏まえ、予備試験が上記制度趣旨に沿ったものとなっているかどうかについて検証・分析がなされるべきであると考える。」となっています。
奥歯に物の挟まったような言い方で、予備試験合格者をどうすべきなのか、全くわかりません。
ただ、司法試験の予備試験は、国籍、性別、年齢、職業などによる差別は許されないということだけは間違いないと思います。
私は、予備試験の合格者の合格率68%で、法科大学院卒業者の合格率25%をはるかに上回わることからすると、「予備試験の合格者を制限しすぎたため、このような『いびつ』な結果となった」「本来、法科大学院卒業者の合格率25%になる程度の予備試験合格者数にすべきである」「予備試験の合格者の司法試験合格率が、法科大学院卒業者の合格率と同じようになるべく、予備試験の合格者数を増員して是正すべきである」とするのが素直だと思います。
そのようにして、何か不都合でもあるのでしょうか。
若いころの2年間という時間、2年間の法科大学院の授業料は、司法試験に合格する能力のある受験者にとって「無駄」以外の「なにもの」でもないでしょう。
そして、日本弁護士連合会の意見である、司法試験合格者を1500名程度にすればいいことですね。