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2012年バックナンバー

国債の格付け

フィッチ・レーティングスは、平成24年8月6日、韓国国債の信用格付けをから「AA-」へと1段階引き上げました。
 ムーディーズ・インベスターズは、平成24年8月27日、韓国国債の信用格付けを「Aa3」へと1段階引き上げました。
 スタンダード・アンド・プアーズは、平成24年9月14日、韓国国債の信用格付けを「A+」へと1段階引き上げました。

 これにより、韓国の信用格付けは、アジア通貨危機当時の平成9年から14年ぶりに元の水準を回復したことになります。

 ちなみに、日本国債は、フィッチ・レーティングスで「A+」で韓国より一段階下、ムーディーズ・インベスターズで「Aa3」と同じ、スタンダード・アンド・プアーズで「AA-」で韓国より一段階上です。

 フィッチ・レーティングスのみとはいえ、韓国国債の格付けが、日本国債を上回ったのは、史上初めてのことです。

 韓国の信用格付けは北朝鮮が「代がわり」で安定しているという事が主たる格付け上昇の原因です。韓国の国債が好転したというよりは、日本の信用格付けが低下したというべきでしょう。


 「政府」「家計」「企業」を経済3主体と呼びます。

 日本は、「政府」が突出して悪いですね。
 平成24年末には、1000兆円の国債等政府債務残高となる見込みです。対GDP比で230%程度です。
 通常なら、とっくの昔にギリシャのようになっているはずですが、日本は、国債の90%以上を、自国の「家計」「企業」で保有していますから、「現在のところ」破綻はしていません。

 韓国は「政府」は、対GDP比で35%程度です。
 ただ、「家計」の借金は、対GDP比で100%をこえています。
 「家計」の借金は、可処分所得の164%に達し、サブプライム危機発生時の米国の数字をはるかに上回る数字です。

 韓国は、約80%が大学に進学し、多くの親は子どもの教育費を捻出するために多額の借金をします。
 これ以外に、消費者債務の大部分を占めるのは、全労働人口の約3分の1近くに達する自営業者が事業資金として借り入れる個人ローンや住宅ローンで、自営業者の多くは大企業に解雇された中高年者ですが、新たな事業を始めるには資金の一部を借入れに頼るしかないということです。

 韓国の「家計債務」はすでに「持続不可能」なほど高い水準に迫っていると言われています。
 旅行好きの韓国人旅行者をヨーロッパで見かけることは少なくなりました。


 客観的なデータを見ると、円とウォンをみるとウォン安が続いていますし(通貨が安いほど経済が弱い)、日本の国債利率が0.8%、韓国国債が3%(国債利率が低いほど信用力がある)からすると、フィッチの格付けは、「政府負債」重視かもしれません。

 韓国は、経済規模が小さく、対外負債が大きいですから、何らかの理由で、ヘッジファンドから狙われれば「脆弱」です。ですから、日本や中国とスワップ協定を結んでいます。
 「今のところ」、日本はヘッジファンドから狙われる恐れがありません。


 ということですが、日本の経済も「安泰」というわけではないことは、韓国より「下」に評価したフィッチが、正当に指摘するとおりです。

 日本は、さらなる消費税増税、社会保障費のカットにより、財政健全化をはかるべきでしょう。
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