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2012年バックナンバー

国民年金

平成24年7月9日、厚生労働省の調査で、国民年金に加入する自営業者や非正規労働者など「第1号被保険者」のうち年収100万円以下が55%に上ることが分かりました。

 厚生労働省は、平成22年11月末現在で、公的年金に加入している全国の15歳以上の人のうちおよそ7万2000人を対象に、前の年の平成21年の年収を調査しました。
 サンプル調査ということになりますね。

 同調査によりますと、自営業者などの国民年金の加入者の平均年収は159万円、厚生年金や共済年金に加入するサラリーマンや公務員などは426万円、保険料をみずから払う必要がないサラリーマンや公務員の妻などは55万円で、全体の平均は297万円でした。

 厚生年金や共済年金に加入するサラリーマンや公務員などの平均426万円(保険料をみずから払う必要がないサラリーマンや公務員の妻がパート等で働いていれば、+55万円となります)と、自営業者などの国民年金の加入者の平均年収は159万円(夫婦で働いていれば、平均値となります)との格差が大きいことに驚きますね。

 このうち、国民年金の加入者をみますと、年収0円の人が24.5%、年収0から50万円以下の人13.5%(年収50万円以下が合わせて38%)、50万円以上100万円以下も17%いて、全体の55%が年収100万円を下回っていることが分かりました。

 「自営業者などの国民年金の加入者」といわれますが、実質、「国民年金の加入者」に自営業者は多くなく、サラリーマン公務員の妻を除いた、無職者と非正規労働者が「国民年金の加入者」の多くを占めます。

 年収が0円でも、例えば、自営業者である弁護士や医師の妻なら、生活に問題はありません。また、親にある程度裕福な大学生・大学院生も、生活に問題はありません
 「すねかじり」の子も、親にある程度裕福であれば問題ありません。

 こういう、年収状態ですから、国民年金の保険料の年度内の納付率は、6年連続して前の年度を下回り、平成22年度に初めて6割を割り込み、平成20年度以降、4年連続で過去最低を更新しています。
 自営業者などが加入する国民年金の保険料の、平成23年度の納付率は58.6%で、前の年度を0.7ポイント下回り、過去最低となりました。

 厚生労働省は、保険料の納付率の低下が続くと、将来、年金額が低くなったり、年金を受け取れない人が増え、結果として社会保障費がかさんでしまうおそれがあるとして、保険料を納付できるのに長期間滞納している人などへの強制徴収を強化するとともに、所得が低くて保険料を支払えない人には免除手続きがあることを周知するなどの対策を講じていきたいとしています。

 もっとも、強制徴収は難しいでしょうね。

「国民年金免除制度について」をご覧下さい。

世帯の構成、世帯の収入(本人・配偶者および世帯主それぞれの前年所得)により、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類に分かれます。
 基準所得を超えていても、災害・失業・事業の廃止などの理由により、保険料が免除される場合があります。

 申請して認められればデメリットは全くありません。
 
 国民年金は、40年(20歳から60歳)のうち25年(10年に改正予定)納付していないと年金の受給資格がありません。つまり年金は全く出ません。
 免除を受けている期間については、25年(10年に改正予定)に通算してくれます。これに対し未納の場合は、通算されません。

 また、単なる未納の場合は、重篤な病気に罹患したり、大事故にあったりして、重い障害者となった場合でも障害者年金は出ませんが、免除されていれば、障害年金は出ます。
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