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2012年バックナンバー

火力発電とクラゲ

電力不足の夏を乗り切るには欠かせない関西電力の火力発電所に、大量のクラゲが押し寄せ、稼働中の29基のうち20基が出力の低下に見舞われているそうです。

 取水口付近に無数の直径20~30センチメートルのミズクラゲが浮かんでいて、発電の際に発生する蒸気を冷却するために利用している海水を十分に採取できなくなり、発電タービンをフル回転できず、結果として、発電所の出力を低下せざるをえなくなるというメカニズムらしいです。
 「風が吹けば桶屋が儲かる」というより「ありそう」な話ですね。

 クラゲの侵入を阻止する専用の網を海中に設置。しかし、大量発生したクラゲが取水口に吸い寄せられるなどして網が破れたり、海底と網の間にすき間もあるため、侵入は防げないそうです。

 産卵地である黄海沿岸の開発進行による富栄養化、地球温暖化による海水温上昇、日本近海の沿岸開発による自然海岸の喪失など環境の変化によるようです。

 上の図と 「関西電力火力発電所」とを比較していただれば、操業中の火力発電所と、クラゲ被害にあっている発電所がわかります。

 関西電力の稼働中の火力発電は、以下のとおりです。海のない奈良と滋賀には火力発電がありません。
 大阪400万キロワット(休止中・多奈川第二120万キロワット)
 京都180万キロワット(休止中・宮津エネルギー研究所75万キロワット)
 兵庫428.3万キロワット
 和歌山390万キロワット

 平成24年6月22日には、各基の低下電力を合算すると90万キロワットに上り、一度にこれだけの電力が減少したわけではないものの、もしも同時低下に陥ると、原発1基分の出力が抑制される計算となるそうです。

 「橋下市長より難敵」という見出しが面白いですね。
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