本文へ移動

2012年バックナンバー

楽天トラベルの「チェックアウト後払い」システムは欠陥?

 楽天トラベルは、平成24年4月4日から、「オンラインカード決済」の内容を変更し、「チェックアウト後払い」の運用を始めました。

 先日、和歌山市の東急インというビジネスホテルを、楽天トラベルを通じて予約したのですが、予約時にクレジットカードから引落とされず、チェックイン・チェックアウトの時もクレジットカードは不要で、宿泊の翌日、引き落としの通知がメールにて来ました。
 昔、東急インは、弁護士会の大会の宿泊場所に利用されるなど「それなり」のビジネスホテルでしたが、シングル1泊3600円(和歌山城の見えない方)というのでは、完全な「落ち目」です。なお、和歌浦には1泊何万円の高級旅館もありますが、不便です。

 楽天トラベルは、これまで「現地決済」「事前カード決済」の2種類でしたが、これに「事後カード決済」を加わりました。
 画面にしたがって操作していると、「チェックアウト後払い」が「デフォルト」(既定値)になっているようです。

 事前カード決済では、予約日に与信チェックとカード決済を完了。宿泊施設泊日までに取り消しが発生した場合のキャンセル料と、宿泊施設泊日に発生した不泊(ノー・ショウ)料やキャンセル料については、楽天トラベルが宿泊施設に保証していました。

 新設される事後カード決済では、予約日から宿泊施設泊日までの期間に与信チェックを行い、宿泊施設泊後にカード決済を行う。不泊料保証は行うが、キャンセル料保証は行わないというものです。

 楽天トラベルは、キャンセル料保証を行わない主な理由として(1)宿泊施設泊単品の手配旅行であること(2)カード利用に対する利用者の心理的ハードルを下げ、利用を促進するため2点を挙げています。

 「事後カード決済」では楽天トラベルがキャンセル料を保証しないということになります。
 宿泊施設が、予約した人のクレジットカードの番号、名義、有効期限、カード裏面の3桁の数字を把握していれば、キャンセル料を徴収することは容易です。
 しかし、楽天トラベルは、宿泊施設泊施設側に、カード情報を通知していないため、対応することができない」と いう致命的な欠陥があります。
 宿泊施設泊施設側としては、カード情報がなければキャンセル料を徴収できません。

 楽天トラベルの予約画面からキャンセル料に関する記述はなく、詳細ページに進むと「引き落とされることはないが、宿泊施設泊施設から別途請求されることがある」と書かれています。
 事後カード決済では、宿泊施設泊施設側が予約者に対し直接請求しなければならず、キャンセル料の未回収という事態の多発や、消費者にキャンセル料徴収を免れる方法という印象を与えかねない懸念があります。

 ただでさえ、日本人は、キャンセル料の支払いを嫌がるという「習癖」があります。
 楽天トラベルの「事後カード決済」は、日本人のキャンセル料の支払いを嫌がる気風を考えると、世界にも類をみない、欠陥制度かもしれません。
TOPへ戻る