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2012年バックナンバー

バスと駐車場

 平成24年4月28日、金沢発・富山経由、JR新宿駅・JR東京駅経由東京ディズニーリゾート行き深夜高速バスが、翌29日午前4時40分ころ、群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線藤岡ジャンクション付近で防音壁に衝突して大破し、7人が死亡し、2人が重体、12人が重傷、25人が軽傷を負うという事故が起きました。

 国土交通省は、平成24年11月5日、スキーバスや観光バスなど貸切バスの夜間運行について、ワンマン走行距離の基準案を、原則400キロメートルを原則としつつ、連続1時間以上の仮眠など一定の条件を満たせば500キロメートルまでのワンマン走行を認める方針です。

 当初、報道されたときは、ゴールデンウィーク(大型連休)のため、東京ディズニーリゾートに行く旅行客が多かったと報道されました。

 後の調べで、JR新宿、東京両駅が最終目的地の乗客が計38人、東京ディズニーリゾートが最終目的地の乗客が計7人とのことでした。
東京ディズニーリゾートが最終目的地の乗客は、案外、少なかったようです。

 多くの東京行き深夜バスが、JR新宿駅・JR東京駅経由で、最終目的地が東京ディズニーランド行きとなっている理由は、東京ディズニーリゾートが目的地の乗客がいるからです。
 また、理由は他にあって、東京ディズニーリゾートや付近には、駐車場がたくさんあり、ドライバーは、東京ディズニーリゾートや付近にバスを駐車させ、近所の安いラブホテルで仮眠をとり、また、深夜に運転するという仕掛けだそうです。

 「多くのツアーバスが駐車場で帰りの客を待つ東京ディズニーリゾート」で、運転手たちは「いつか起きると思っていた」「起こるべくして起きた事故」と業務の過酷さを口にしたということですね。


 東京などでは、駐車場の問題が大きいと言われています。

 東京スカイツリーの第2展望台「天望回廊」は、450メートルもの高さから関東一円を見渡せるスカイツリー観光の最大の売物です。

 第1展望台「天望デッキ」(高さ350メートル)から、第2展望台「天望回廊」(高さ450メートル)には、天望デッキで追加料金を払って専用の入場券を買わなければならず、展望台の滞在に制限時間がないため、混雑時には、第2展望台「天望回廊」への入場までに1時間ほど待たされる場合もあるそうです。

 しかし、展望台に上る観光客の3割弱を占める団体客からは、「天望回廊に上がれなかった」という不満の声が出始めているそうです。
観光バスの駐車場は敷地内外に計55台分しかなく、駐車の制限時間は「2時間以内」と厳しく制限されているため、バス利用の団体客はツリーに長くとどまっていられないからです。

 単純に考えれば、2時間の余裕があるのであれば、第1展望台「天望デッキ」に昇ったとき、すかさず、第2展望台「天望回廊」への入場券を購入して、行列に並べば、第2展望台「天望回廊」に昇ってしまえば間に合うでしょう。

 結果として「天望回廊」に「デン」して帰るという事になるかも知れません。
 しかし、「天望回廊に上がれなかった」という不満をもつより「まし」かも知れません。

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