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2012年バックナンバー

弁護士も顧客重視

大阪弁護士会の会員数が、平成24年内に4000人に達することが確実になっています。

 大阪弁護士会の会員は、平成4年に2000人を少しこえる程度でしたが、平成18年に3000人を突破しています。

 ちなみに、私が、10年間勤務した裁判官を退官して大阪弁護士会に登録したとき(平成2年)、大阪弁護士会の会員は2000人いませんでした。

 事件数が、平成2年の2倍になっていれば、弁護士1人当たりの仕事の量は同じです。
 そうはなっていません。
 事件数は、さほど増えていません、といいますか、一時の過払い金返還請求の時を除き、実質「横ばい」でしょう。
 
ということで、法律事務所の経営は、一時に比べて「苦しく」なっています。

 遅まきながら、弁護士も「顧客重視」の時代が来ています。
 本来は、最初から「顧客重視」をすべきだったのでしょうが、残念ながら、そんな傾向にはなく、「インフォームドコンセント」(説明と同意)という基本がなっていない弁護士さんもおられました。

 医師と弁護士は、ある意味「特殊」な仕事です。
 単なるサービス業ではなく、患者や依頼者が「神様」というわけではありません。

 医師の言いつけを守らない患者や、弁護士に嘘をついたり、指示に従わない依頼者は、医師や弁護士の信用を毀損します。
 また、医師や弁護士は「信用が命」という側面を持ちます。
 患者や依頼者が「どんな人でもいい」というわけにもいきません。

 ただ、弁護士に嘘をついたり、指示に従わない依頼者は、当然排除するという傾向に変わりはないでしょうが、弁護士に隠し事や嘘をいたりせず、弁護士の指示に従う依頼者は、「多少、訴額(当事者の得る経済的利益=弁護士の得る利益)が低い事件でも受任する」という方向に傾きつつあります。
 私自身も、5年前にホームページを開設したときに比べ、当初断っていた、低廉な訴額の低い事件の受任をする傾向があります。

 なお、一方、どの弁護士がやっても同じという事件もありますが、弁護士の腕にかかっているというという事件もあります。
 信頼できる弁護士に依頼するのが正解と言うことになりますが、どのようにして信頼できる弁護士をさがすのかというのは難しいですね。

 昔は、弁護士を知っている人が回りにいない人は、弁護士会の相談にいき、相談した弁護士に依頼するという傾向にありました。全くの「運」です。
 ただ、このルートは、明らかに減少傾向にあります。
 相談者が、インターネット等である程度の知識を得ているため、相談を受ける弁護士の知識不足が「露呈」することも要因の一つといわれています。

 ただ、弁護士も、大阪弁護士会の弁護士検索ページ、ホームページなどで、自己の知識経験だけではなく、学歴・職歴・著書などを公開する弁護士も増えました。

 不幸にしてトラブルに見舞われた人は、弁護士による二次的被害を受けない「悔いのない」弁護士選びをしていただきたいと思います。

 

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