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2012年バックナンバー

女子バレー最終予選

前に「ワールドカップ予選最終戦」というコラムを書いたことがあります。

 1982年のワールドカップのグループ2の予選で、アルジェリアは最終戦を終え、2勝1敗、勝点4点、得失点差0が確定していました。
 西ドイツとオーストリアの最終戦は翌日開催でした。
 西ドイツが負けるか引き分ければ、オーストリアとアルジェリアが予選突破です。
 西ドイツが勝って、その点差が3点差以上なら、西ドイツとアルジェリアが予選突破です。
 アルジェリアにとって、最悪の結果は、西ドイツが2点差以下で勝つことです。
 西ドイツ、オーストリア、アルジェリアが勝点4で並びますが、得失点差で予選敗退です。
 予想通りでした。
 西ドイツは、試合開始早々に1得点、その後両チームはロングボールの応酬を行なって時間をつぶし、ゴールなしで、西ドイツが勝利しました。
 得失点差でアルジェリアが脱落することになりました。
 「八百長」くさいですね。誰でもそう思います。

 この話ほ「どこかで聞いた話」と最近思いました。

 平成23年5月27日、東京体育館で行われた女子バレーボールのロンドン五輪世界最終予選の最終戦で、日本がセルビアに2-1セットで有利に試合を進めていたのが、連続2セット連取され敗北したということがありました。

 セルビアは、元ユーゴスラビアで、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、元ユーゴスラビア・マケドニア(マケドニアとだけ書くとギリシャが怒るそうです)、モンテネグロが独立した残りですから、バレーボールは強豪国です。

 タイが泣きました。
 タイは、日本がセルビアに勝つか、0-3か1-3でセルビアに敗れると五輪出場が可能な状況でした。
 4勝3敗で先に全日程を終了したタイは、最終戦で日本がセルビアに勝つか、0-3か1-3で敗れると五輪出場が可能な状況でした。唯一出場できないのは、日本が2-3で敗北するという場合のみです。

 日本がセルビアに2-1セットとリードした段階で、日本の予選突破が決まりました。
 日本は、第4セットと第5セットをセルビアに奪われて逆転負けしました。
 この結果、タイ(4勝3敗)はロシア、韓国、セルビア(5勝2敗)、日本(4勝3敗)に続き、勝ち点差で5位となり、五輪出場はできませんでした。

 タイは国際バレーボール連盟に調査を要求しましたが、国際バレーボール連盟は、平成24年5月31日「詳しく調べた結果、日本とセルビアの試合で八百長を裏付ける証拠はなかった」と正式に発表しました。

 残り2セット、予選進出が決まって「ほっと」している日本と、予選進出には2セット連取しかないセルビア、日本とセルビアの実力には、さほど差がないのですから、セルビアが2セット連取しても不思議ではありません。
 千秋楽で、勝越しが決まっている力士と、7勝7敗の力士の取組は、八百長がなくても、大体、相撲前から予想がつきます。

 日本がタイの立場にいて、中国や韓国が日本の立場にいれば、八百長をやりかねないかも知れませんが(自国のチームでなくても、日本の相手のチームを応援するお国柄です。日本人のように、同じ東アジアの国として応援できないものでしょうか)、タイとセルビアなら、日本とタイが五輪に進出する方が日本にとっていいと思います。

 ロンドン五輪予選A組は、日本(世界ランキング3位)、はイタリア(4位)、ロシア(7位)、ドミニカ共和国(9位)、アルジェリア(16位)と開催国イギリス、同B組は、米国(1位)、ブラジル(2位)、中国(5位)、セルビア(6位)、トルコ(11位)、韓国(13位)となり、結果的に、日本はセルビアに負けた方が有利だったのですが、そんなことを考えている余裕はなかったでしょう。

 それより、いつの間に、その昔「東洋の魔女」といわれた日本女子バレーは、オリンピックに出場できるかどうかというまで、レベルが落ちたのでしょうか。

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