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2012年バックナンバー

コンピュータでたやすい計算と難しい計算

 平成24年5月21日、金環日食が、日本列島の人口88%を占める地域で見られるそうです。

 観察できるのは九州南部、四国、紀伊半島、関東付近などを通る「中心食帯」と呼ばれる帯状の地域だそうです。東京、名古屋、大阪、神戸をとおっていますから、人口の88%ということになります。中心線のところあたりでは、太陽のど真ん中に月があり、中心線から離れた神戸などでは、太陽の端に月が見えます。中心食帯をはずれると、月が太陽からはみ出ます。

 西宮市の自宅でも、大阪市の事務所でも、どちらでも見られるようです。
 天気がよければの話でしょうが・・

 「中心食帯」では「食のはじめ」「金環日食のはじめ」「食の最大」「金環日食の終わり」「食の終わり」が秒単位で示されています。

 厳密に計算できるものですね。
 次回、日本で広範囲に金環日食が見られるのは932年ごということまでわかっています。

 日食や月食などは、簡単に計算できるようです。

 地球は、太陽を楕円軌道で回っていますが、何年何月何日何分何秒何々にどの位置にあるのか、月は、地球を楕円軌道で回っていますが、何年何月何日何分何秒何々にどの位置にあるのかは、位置に影響する要素が少ないですから、計算は簡単なのですね。

 コンピュータも、それほど、演算速度などの能力が速い必要はなさそうです。
 コンピュータは第二次世界大戦時に実用化されましたが、開発目的は、弾道計算と暗号解読にあったといわれています。真空管でも十分だった、といいますか、真空管しかありません。
 アポロ計画の月面着陸の際のコンピュータの能力は、スーパーファミコンが、それ以下ともいわれています。

 コンピュータが使われる以前、星の動きを計算するために、座標回転公式と球面三角法などにより、机上の計算でできていたそうですが、正確で精度の高い計算をするためには、それなりに複雑な計算となり、それなりに大変だっようです。
 もっとも、「いつ日食がおきるか」などは、急ぐ計算ではありません。

 どちらにしても、ほぼ真空、軌道に影響する重力等の要素はわずかですから、計算は「比較的」「容易」だそうです。


 コンピュータで計算が難しいものの代表に「落ち葉がどう落ちるか」「タバコの煙がどう拡散するか」だそうです。

 もともと落ち葉や煙は軽く、空気や風の影響など考慮すべき要素がありすぎて、スーパーコンピュータが必要となるそうです。
 スーパーコンピューターは、量子力学、計算化学、各種の物理的なシミュレーション(航空機の風洞シミュレーション、核兵器の爆発シミュレーションなど)のほか、天気予報、気象研究に用いられています。

 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射性物質拡散シミュレーションもスーパーコンピューターを利用しています。一説には100億円かかっているとかという話もあります。

 天気予報ですら難いのに、風向きや降雨などの全ての条件を知っているわけではなく、原子力発電からの放射性物質が、各時点ごとにどれだけ排出されているかもわからないのですから、いくらスーパーコンピューターを使っても難しいでしょう。

 もっとも、SPEEDIの結果と、各地で放射性物質が検出される量をみれば、概略あっています。
 同心円だけで避難を指示するというのは無謀でしょう。
 公表されるべきであったのは間違いないようです。
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