本文へ移動

2012年バックナンバー

方言

方言にはいろいろあります。

 私は和歌山市で育ちましたが、もともと和歌山市には、大阪弁と和歌山弁をしゃべる人が混在しているうえ、私の場合、母親が大阪市出身ですから、どちらかといえば、普通しゃべる時は、大阪弁に近いといわれます。

 和歌山弁の特色といえば「だ」行と「ざ」行がひっくり返る、たとえば、座布団を「だぶとん」、「全然」を「でんでん」と発音するだけではなく、ふりがなも「だぶとん」「でんでん」とふってしまう人が多いです。
 若い人にはなくなってきました。

 私が、和歌山地方・家庭裁判所で勤務していたときに、裁判官、書記官にワープロが、裁判所から貸与されるようになったのですが、ふりがなに「だぶとん」「でんでん」とふってしまう比較的高齢の生粋の和歌山県人のなかには、「ちゃんと入力しているのに変換できない」「ワープロがおかしい」と言う人までいました。

 あと、「今日」を「きょうわ」と発音するというのが、他の方言にない特徴といわれています。
 「今日は」は「きょうわは」と発音し、「今日の」は「きょうわの」と発音することになります。「わ」が余計なのですが、耳障りなくらいで、それほど問題はありません。

 問題なのは、和歌山の人は、「今日」=「きょうわ」を、「今日」(today)の意味だけではなく、「今から」(from now)という意味で使うことです。人によっては「さあて」くらいの感覚で使います。

 これは、さすがに「問題」になります。
 本人が、「今から」のつもりで、「今日」=「きょうわ」と使います。
 聞いた方は「今日は」ということは、「なぜ今日なのか」「昨日までは違ったのか」「明日からは違うのか」と問いつめることになります。
 問いつめられた方は、何を言われているのか「さっぱり」わかりません。

 同じ「関西弁」をしゃべっていても、同じとは限りません。
 「きょうわは」「きょうわの」と発音する人は和歌山弁をしゃべっています。
 「きょうわ」といった場合は、「今から」と置換えて聞くのが正解です。
TOPへ戻る