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2012年バックナンバー

EEZ

平成24年4月27日、政府は、200カイリを超えて海底資源の権益を主張できる大陸棚の拡大について、国連の大陸棚限界委員会が日本の国土面積の約8割に相当する、計31万平方キロの拡大を認める勧告を採択したと発表しました。

 排他的経済水域(EEZ)として、海底資源の開発を独占して行うことができます。
 国連海洋法条約で、海底の地殻が陸地と同じ地質であることが証明できれば350カイリ(約650キロ)まで延伸が認められます。そして、この海域では海底資源の開発を行うことができます。

 政府は、日本近海の海底に、メタンハイドレートやレアメタルなどの海底資源の存在が確認されたことから、平成20年11月に7海域(計約74万平方キロ)で大陸棚の延伸を申請していました。

 地図を見れば明らかですが(「竹島」が「独島」になっているのは、韓国の地図だからです。あしからず)、沖ノ鳥島を「島」と認めたことになります。
 沖ノ鳥島は、東京から南に1740キロメートルに位置した珊瑚礁で、満潮時に、水面上に70センチメートル、岩2個の面積は約10平方メートルです。
 干潮時には、もっと高く広いことになります。
 政府は、平成元年に、波による侵食を防ぐため600億円を投じて暗礁周辺にコンクリート工事を実施しています。

 沖ノ鳥島をめぐっては、中国と韓国が「岩であり大陸棚は設定できない」と主張しているという経緯があります。
 つまり、公海で、どの国も資源開発が可能という主張です。

 中国なら、将来的に、メタンハイドレートやレアメタルなどの海底資源の採取が可能かもしれませんが、韓国に、その能力はないでしょう。日本の主張は何もかも反対ということなのかも知れません。

 日本近海ではメタンガスが低温高圧状態で結晶化したメタンハイドレートが天然資源として実用化が有望視されています。
 総埋蔵量は国内使用量の約100年分のガスに相当する計7.4兆立方メートルに上ると推計されています。また、レアアース(希土類)の存在も期待されています。

 日本は、陸地は小さいですが、領海とEZZは、内陸国の中国よりも大きいということになります。

 なお、ニュージーランドなども、日本とほぼ同じ事情ですが、資源の有無、開発能力という点からすると、異なっているでしょう。

ちなみに、内陸国のモンゴルやスイスには、領海やEZZはありません。
 ただし、モンゴルも、スイスも海軍を保有しています。モンゴルには、フヴスグル湖、スイスにはボーデン湖があります。
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