本文へ移動

2011年バックナンバー

デジャヴュ

「既視感」という言葉をご存じでしょうか。「デジャヴュ」「デジャブ」(フランス語で「 Deja vu」。アクサン略)の方がなじみがあるかも知れません。

 実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じることです。
 「過去の体験」は幻想・夢想のたぐいで、実際は体験していないのに、なぜか体験した気がするというものです。もちろん、正常な人におきる現象です。病気ではありません。
 ただ、まれに、統合失調症の初期にもあらわれます。

 今年、函館出張のときに、飛行機待ちの時間が余ったので「五稜郭」でも見て帰るかと、地図を片手に「五稜郭」に向かいました。

 想像していたような「五稜郭」は見あたらず、地元の人らしき人に「五稜郭はどこですか」と道を聞きました。
 地元の人は「五稜郭はここですよ」と住居表示板を示しながら不思議そうな顔をして言いました。
 私がスーツ姿だったので、単なる旅行者とは思わなかったんでしょう、いかにも旅行者という出で立ちなら、五稜郭「跡地」を探していると「ぴん」ときたと思います。

 地図をしめして「ここですが」というと、「ああ五稜郭ですね」「この道を・・」と丁寧に教えてもらいました。
 全くの「跡地」でした。タワーに登る気もしませんでした。

 全く同じ経験をした気がしました。「デジャヴュ」かなと考えました。五稜郭には行ったことがありませんから。

 と考えながらいるうちに、似た体験をしたことを思い出しました。
 若いころ、といっても弁護士になってからですが、英国スコットランドのエジンバラでレンタカーを借り、セント・アンドリューズのゴルフ場と、ネス湖を見に行ったことがあります。

 地図を見ると、途中で「Queensbridge」という橋を渡らなければならないのですが、道に迷って橋からはずれてしまったようなので、自動車を止め、地元の人に「Queensbridgeはどこですか」と聞いたところ「ここがQueensbridgeです」と答えられたことを思い出しました。
 やはり同じように、地図を見せると「ああQueensbridgeね」とわかってもらえたようで、今いるところは地図上「どこ」であるかということと、「橋」への行き方を教えてもらいました。

 記憶力がいいのか悪いのか・・

 ちなみに、セント・アンドリューズでは、こりもせず「セント・アンドリューズはどこですか」と聞きましたが「ここがセント・アンドリューズです」とは言われず、「セント・アンドリューズ教会」への道を教えられました。
TOPへ戻る