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よもやま話 バックナンバー2/2

生活保護

 生活保護の申請の「不受理」が、社会問題となっています。

 生活保護受給者が「依頼者」ということは、通常ないのですが、法律扶助事件で、自己破産の依頼を受けるということがあります。

 生活扶助、住宅扶助、医療扶助などの細目があり、全く無収入の人は生活保護費、給与が少ないものの働いている人は賃金+生活保護費、年金生活をしている人は年金+生活保護費、大体月々12、3万円強くらいになるように支給されています。

 結構、生活保護受給者が、サラ金から借りているということは多いらしく、サラ金への返済のために市区町村が、税金が使われるのは「おかしい」ということで、市役所・区役所の担当者のすすめで、自己破産の依頼をしにくる方が多いようです。

 通常、自己破産の際には「隠し財産」がないかという、裁判所のきびしいチェックが入るのですが、生活保護の場合は、市区町村が、預金があるうちは生活保護費を支給せず、生命保険などは全て解約させるなど、日常家財道具程度の財産しかないようチェックしているために、裁判所のチェックは、さほど厳しくはありません。
 また、裁判所も「サラ金への返済のために税金が使われるのは『おかしい』」と思うのか、多少、借金の使途が「あやしい」(例えばギャンブルなど)ものであっても、比較的容易に免責決定を受けることができます。


 もっとも、「アルコール性肝炎」で生活保護を受給しているのに、生活保護費が酒代にまわり、事務所に「アルコール臭」をさせて来所する人がいるなど、「いったいどうなっているんだろう」と「?」がつく人もいます。

 その他、事件の相手方関係者などに、財産を隠して生活保護を受けている人が結構いたりして、市区町村の担当者は「どこを見ているのか」疑問になることがなくはありません。

 また、生活保護費を受けずに一生懸命働いている人の給料が、生活保護費以下だったりすることも時々あり、やはり「いったいどうなっているんだろう」と思うことがあります。


 弁護士という仕事柄、いろいろな人は見ますが、「飢え死にする心配のない」「日本」は「いい国だ」と思っていたのですが、現実に、餓死する人がいるときいてびっくりしました。

 そのうち、弁護士では食べていけなくなり、弁護士の資格を持ちながら、生活保護を受給する人がでるかもしれません。
 月額4万余の弁護士会費は、老齢、疾病などの場合免除されますから、あながち「ばかげた」話ではないかも知れません。
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