2014年バックナンバー
クリミア半島
ロシア編入承認がなされました。
ロシアは、編入をしようとしています。
ロシア軍は、ウクライナ南部のクリミア半島で、平成26年3月2日、ロシア軍がウクライナ側の武装解除を進め、主要空港を制圧するなど軍事圧力を拡大しました。
単純な「他国」「侵攻」ではありません。
クリミア半島は、黒海に突き出た半島で、15世紀に建国された、イスラム系のタタール人国家を経て、18世紀に帝政ロシアに併合されました。
クリミア半島南東部セバストポリにロシア黒海艦隊の基地が置かれました。
セバストポリは、ロシア黒海艦隊が地中海にでるために必要不可欠な軍港であり、ロシアにとって、妥協の余地はありません。
なぜ、もともとロシア領だったクリミアが、ウクライナ共和国に属しているのでしょうか。
1954年、ソ連のフルシチョフ党第1書記(当時)が、クリミアの帰属をロシア領からウクライナ領に変更したことによります。
当時は、ロシアもウクライナも、ソ連の一共和国ですから、さしたる問題はありませんでした。
ソ連が崩壊し、1991年、ウクライナが独立すると、クリミアは、ロシアとウクライナの対立に発展します。
ロシア系住民が多いクリミアは1990年代、ウクライナからの「独立」を宣言したり、自治権拡大を要求したりしました。
ロシアはこれを支持し、ウクライナは反発しました。
クリミアは、1996年のウクライナ憲法で、ウクライナ唯一の自治共和国となりました。ウクライナが、クリミアの独立要求の高まりを抑えるため「国家並み」の権限を与えたといえます。
ウクライナ憲法は、条文に矛盾しない範囲内で、クリミアに独自の憲法制定や、政府や議会の設置を認めています。ただ、ウクライナの一行政体にすぎませんでした。
ロシアとウクライナ両国の議会は、ロシアが持つセバストポリの港の租借権を持つということで妥協し、2010年、ロシアが持つセバストポリの港の租借権が2042年まで延長され、ウクライナへの見返りとして、ロシア産のガスの価格を、1トンあたり1000ドル(約30%)ディスカウントすることにしました。
ロシアが今回、強硬姿勢に出るのは、クリミア半島南部のセバストポリを黒海艦隊の母港としているためです。
今回の政変で、欧米寄りのウクライナ政府が誕生したことは、艦隊基地の駐留継続を望むロシアには脅威となります。
なお、現在のウクライナ政府は、クーデターによるもので、正当な選挙に基づく政府ではありません。
まさかとは思いますが、ウクライナが、NATOに加入したり、EUに加盟してからでは遅いことになります。 「集団的自衛権」ですね。
歴史的に見て、クリミア半島は、もともと、ウクライナではなくロシアのものです。
ウクライナに編入されているという方がおかしいことになります。
ロシアがクリミア半島を支配しても問題はないと思います。
日本には、そんなに関係ありませんし、今のウクライナ暫定政府にしても「正当性」という点から「?」がいくつもつくことは前記の通りです。
日本としたら、北方領土の問題がありますから、アメリカやEU同調する形で、ロシアへの経済制裁などに参加したら、北方領土解決が遠ざかります。できれば「形式」だけで済ませたいものです。
また、ロシアが弱体化すれば、傲慢な中国が、勢いづいてしまいます。
中立的立場をとれれば一番いいのでしょうね。
といっても、日本は、アメリカのいうことは聞くことになるのでしょう。EU諸国も、本音はわかりません。日本と、似たり寄ったりかもしれません。