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よもやま話 バックナンバー1/2

塞翁が馬

 チリの鉱山落盤事故で、地下約700メートルに閉じ込められた作業員33人は全員無事でした。

 もちろん、ルイス・ウルスア氏の指導力を称賛する声が相次いでいます。
 間違いなく英雄です。
 といいますか、33人ともに英雄でしょう。

 ただ、皮肉にも事故で愛人問題が発覚した中、地上へと生還した鉱夫がいました。
 生還した鉱夫もとには、本妻ではなく愛人が駆寄りました。


 こんな話をどこかで聞いた気がします。
 デジャブでしょうか。

 愛人が駆け寄ったわけではありませんでした。

 日本航空のジェット機がハイジャックされました。
 機長は冷静沈着に対応し、福岡空港で給油しながら時間稼ぎをし、人質のうち女性や子供たちを解放させ、北朝鮮を目指して飛立ちました。
 韓国の金浦空港にいったん着陸し、ここで乗客の身代わりの名乗り出た運輸政務次官が搭乗し、北朝鮮へと飛びました。事件発生6日目、機長は、政務次官を乗せて無事帰国しました。

 事件によって機長は「英雄」となりました。

 ところが、有名になったことで白日のもとに「晒された」ものがありました。
「愛人騒動」です。

 47歳の機長は、愛人スキャンダルで、日本航空を退職しました。
 その後、20年近い「流転の人生」が始まりました。
 20年後、捨てたはずの家族が、何も言わず、全てを許してくれたそうです。
 そして、夜間の警備員として職に就き、平穏に暮らして生涯を閉じました。

何が幸福で、何が不幸か分かりませんね。

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