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司法 バックナンバー 2/3

心を病む法律家

法律家で「うつ」を病む人が増えています。

 基本的に、法律家(裁判官・検察官・弁護士)は、扱う仕事が「殺伐」としていて、ストレスがたまる職業です。
 また、法律家は、結構「完璧主義」が多く、うつ病になりやすいといわれています。
 完璧主義も良い方向に向かっているときはいいのですが、悪い方向に行くと頑固で融通が利かないだけになります。

 「うつ」かどうかの簡易診断方法をあげておきます。

1 心身に疲れを感じる。
2 思考がまとまらない、集中できない、判断ができない。
3 イライラする。
4 自分がみじめに感じる、劣等感にとらわれる。
5 頭が重い、体がだるい。
6 目覚めが悪い、朝起きられない。あるいは、寝つきが悪い、眠れない。
7 人と会いたくない。
8 さびしい、不安を感じる、疎外感を感じる、違和感を感じる。
9 食欲がない、食べ物がおいしく感じない。

 「うつ」の原因はなんでしょう。
1 大切な人との死別や離別。
2 人間関係の悩み。
3 転職、転勤、昇進、人事異動、定年退職、リストラ、会社の倒産。
4 学業や仕事の失敗、挫折。
5 失恋、離婚。
6 病気、過労、事故。
7 急激な生活環境の変化。

 裁判官の自殺はよく新聞に載っています。マンションからの飛び降り、電車への飛び込みなど「はで」なものが報道されていますが、「うつ」の「裁判官」が「はで好き」ではなく、「はで」でないものは、「病死」として処理されているものもあるからです。つまり、実数は、報道されているものより多いです。
 弁護士は「ニュースバリュー」に乏しいのか、よほど「はで」な死に方でもしないと、報道されません。
 担当裁判官の「うつ」のあおりを食って延期される事件もあります。大阪地方裁判所くらいになれば、裁判官はいくらでもいるから「さっさと割りかえてほしい」と思うときがあります。ちなみに、実質的に休職状態でも、報酬は「満額」でます。昇級が遅れたり、再任されない可能性があることは当然です。
 地方、そのまた支部は大変でしょうね。

 弁護士に「うつ」が増えてきています。
 もちろん、たいていの弁護士は、事件数が少なくなって資金繰りが苦しくなったり、本来勝訴予定の判決で敗訴しますと「陰鬱」な気分になりますが、事件数が元に戻り、勝訴続きとなれば、いつのまにか「躁」状態になります。
 もちろん、病気ではありません。かなり単純な「生き物」と考えていただいて結構です。

そうではなく「病的うつ」が増えています。
 年齢を問わず、「仕事が手に着かない」と、放置している弁護士が目立つようになりました。
 弁護士会も、危機意識をもっていて、「市民窓口」から情報を吸い上げたり、「相談窓口」をもうけたり(病院と違い守秘義務はありません。担当者からの「密告」ありです。そうしないと、弁護士会が放置したとして訴えられかねません)、あげく、事務員にまで「内部告発」させようとするパンフレットを配布しているようです。

なお、大阪弁護士会は、他の組織と同様「慶弔金」制度があり、冠婚葬祭のほか、一定期間就労不能になれば、「慶弔金」がでるのでるのですが、「うつ」による「就労不能」の弁護士が増えたことも一要因となり、慶弔金の大幅カットを断行しました。

 依頼している弁護士が、着手金を支払っても行動を起こしてくれないときは「うつ病」の可能性があります。
 事務所に行ってみて、活発に電話が鳴ったり人の出入りがあれば、あなたの事件の優先順位が低い、あるいは、不要不急の事件であるだけで、あまり心配はありませんが、全体に重苦しい雰囲気のときは、弁護士の「うつ病」を疑い、着手金と記録を返還してもらい、別の弁護士さんに頼むことをお勧めします。

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