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旅・交通 バックナンバー2/2

検札

ヨーロッパの長距離列車の駅には「改札口」がない国が圧倒的多数をしめます。

 ドイツ、フランス、スイス、オーストリア、イタリーなど大陸はほぼ全てです。
 イギリスにはあります。これが例外ですが、日本の駅に改札口があるのは、イギリスから鉄道技術を導入したことと関係があるのかも知れません。

 改札口のない国の駅では、駅建物から改札なしでそのままホームに入ることができます。どのようにして、無賃乗車を防いでいるのでしょうか。

 車内改札ですね。
 日本のように、多数の乗客はいません。立っている人がいる方が希ということですから、車掌が改札することは容易です。
 結構、車掌の乗客の記憶力は大したものです。誰が手前の駅で乗ってきたか、あらかたわかっているようです。
 乗車券がない場合、時間がなくて切符がかえなかったことがわかってもらえれば(わざと、車掌に「切符は車内で買う」とアピールして電車に乗ります)、駅で買うのと同額、列車によっては車内購入の価格が高くなっていることがあります。
 最初から無賃乗車の場合は、罰則として倍近い金額を支払わされるようですが、現実に目撃したことはありません。

 なお、地下鉄、近郊電車、市電・バスなどはどうでしょう。
 車掌による改札はしません。
 自由に出入りできます。
 定期券をもっていれば何も問題ありません。
 回数券や一日乗車券の場合は、チケットに日付を刻印をする刻印機がホームの入口にあったり、市電・バス内にあったりします。

 無賃乗車のやり放題でしょうか。

 そうではありません。
 私服の検査官が2人組で乗り込んできて、いきなり身分証明書を見せ、定期券や有効に刻印された乗車券をもっていない乗客から、有無をいわさず40ユーロ程度を取立てます。
 外国人だからといって全く容赦はありません。

 1ユーロの区間なら、40回~50回に1回くらいの確率できますから、もとは、かろうじてとれているのかも知れません。

 ボンの市電(当時は首都ですから「都電」)はよく利用しました。
 検査官は、ローテーションで回るようなのですが、何回かみていると顔を覚えてしまいます。
 乗車するときに「Herr Kontroller!」(検査官さん!)と声をかけると(速度違反をしていると、対向車線の自動車がパッシングランプで教えてくれるのと同じです)、一番最初のときは苦笑いをしていましたが、2度目は怒鳴っていました。もちろん、日本人がドイツ語を理解するわけはありませんから、知らぬふりを決めつけました。

 次からは「検査官さん!」と日本語で声をかけました。
 いやな客ですね。他の客は、雰囲気でわかります。
 何かあれば、検察官から出向しているボンの大使館員(検察庁から出向。現某・高検検事長)に連絡すればいいだけですから。

 ちなみに、パリの地下鉄は入口にのみ改札があり、出口にはありません。
 均一料金ですからね。
 なお、基本技術は、検札のあるイギリスからの導入のようです。

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